楢崎 隆也のブログ

日本が住宅の気密性に基準を設けない理由はなぜか?

日本が住宅の気密性に基準を設けない理由はなぜか?

2023.11.8 カテゴリー:楢崎 隆也

こんにちゎ^^

住宅コンサルタントのならざきです!

フィックスホームは、大津市・草津市・栗東市・守山市周辺で、高気密高断熱の省エネ・エコ住宅を建てる工務店です。

 

日本では、1999年に制定された、次世代省エネルギー基準から、建物の隙間から逃げる熱を抑えるために、初めて気密性の基準を導入しました。なぜなら、建物の気密性能が断熱性能の低下を防止する上で、非常に重要な要素だと理解していたからです。

 

日本が住宅の気密性に基準を設けない理由はなぜか?

日本が住宅の気密性に基準を設けない理由はなぜか?

しかし、2013年に改正された、省エネルギー基準では、なぜかこの隙間数値が削除されていまいました。建物の気密性能が断熱性能の低下を防止する上で、非常に重要な要素だと理解していたからなのにです。

国の説明にはこうあります。「一定程度の気密性が確保される状況にあること、また住宅性能表示制度における特別評価方法認定の蓄積により、多様な方法による気密性の確保が可能であることが明らかになってきたことなどから気密住宅に関わる定量的基準(相当隙間面積の基準)は除外されました。」。。。

そこで今回は、日本が住宅の気密性の基準を設けない理由について考えてたいと思います。

 

建築工事の前に確認ができない

断熱性能を示すUA値については、机上で計算ができます。よって、1件ずつ違う間取りや窓の数、設備などが異なっていても、建築工事前に計算によって断熱性能を施主へ伝えることが可能です。しかし気密性については、施工精度により、気密検査結果が異なるため、建築工事前に伝えられないので、仮に基準を設けても評価をしにくいということが言えます。

さらに気密検査には、検査用の機器を現場へ持ち込み、設置してからしか測定することができないことや、検査に時間がかかるため、どうしても1日で検査できる件数が限られてしまいます。それを解消するには、行政から委託を受ける検査会社を増やしたり、検査機器も用意しなければなりません。

日本が住宅の気密性に基準を設けない理由の一つとして、おそらくこのあたりを整備するために、相当の手間とコストが掛かることがネックになっているのだと考えます。

 

業界からの反発

次に、主に軽量鉄骨住宅を手掛ける大手ハウスメーカーや、年間に数多くの住宅を手掛ける建売業者からの反発も考えられます。例えば、軽量鉄骨住宅の場合、鉄は温められれば膨張し、冷やされれば縮まる特性があります。そのため、家に隙間が生まれやすいので、おのずと気密性は低くなります。

その証拠に、木造住宅のハウスメーカーのほとんどが、気密性を示すC値を公表しているのに対して、鉄骨住宅は非公表になっていることからも明らかです。

また、コスト重視の建売住宅業界からは、1件あたりのコストUPによる影響から反発の声を押し切っての基準の導入には、どうしても及び腰にならざるを得ないのだと考えます。

 

基準と現実との差が激しいこと

気密性を示すC値は、家中の隙間を集めた隙間面積(cm2)を延べ床面積(m2)で割ったもので、単位はcm2/m2で表します。 C値の値が小さいほど隙間が少なく、気密性が高い事を表しています。

かつて1999年に制定された次世代省エネ基準のC値は、5.0cm2/m2以下に設定されていて、住宅全体で考えた時、ハガキ約5枚分の大きさの隙間に相当します。

それでは、もし今、C値の基準を設けるとしたら、どこを基準にするのか。これは非常に激しい議論になることは間違いありません。フィックスホームを含め、地元の工務店レベルでも、C値0.5cm2/m2以下で建てている会社は当たり前のようにあります。

しかしそれを基準にしてしまうと、着工棟数的には圧倒的に多い、一部の大手ハウスメーカーでは対応しきれないと反発を招くことになりますし、だからと言って、HEAT20で推奨されているC値0.7cm2/m2や、一般的に1cm2/m2以下というような基準では、本当に基準としての意味があるのかと疑問を持つ方も大勢いらっしゃることでしょう。

日本は、このような議論や調整をすることを嫌って、本来、最も大切にしなければならない国民の健康や安全、省エネに密接に関係する、気密性の基準を設けることを避けているのだと考えます。

 

最後に

今日は少し話しが複雑で小難しい気密性について、「日本が住宅の気密性に基準を設けない理由とは?」というお話しをしました。気密性の基準が国で定められているから高める、定められていないから手を抜くのではなく、その家に住む人のことを考えれば、何を大事にしなければいけないかは、おのずと分かります。

自分のこととして捉えれば、何が正しくて、何が誤りなのかは一目瞭然ですから、他人の顔色を伺うことなく、スパッと決めれば、日本の住宅の質も飛躍的に向上するのにと思うばかりです。何か気になることがございましたら、遠慮なくご相談ください。

 

★家づくりは望む人生を手に入れる手段です。望む人生を手に入れられないとしたら、家づくりが成功したとしても、意味がないと私たちは考えます。

人生は家づくりだけで考えないで下さい。私たちと一緒に望む人生を手に入れましょう。この記事があなたの望む人生を手に入れるお役に立てれば幸いです。

 

それでは、また~^^/

 

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