厨子 浩二のブログ

☆なぜ、建築業界の悪習慣は無くならないのでしょうか?☆

2017.3.26 カテゴリー:厨子 浩二

なぜ、建築業界の悪習慣は無くならないのか?

違反建築、耐震偽造、施工不良、手抜き工事・・・。

またか?という感じです。

記憶に残るのは、数十年前の耐震偽造問題、
そして、数年前の○○○○○住建の耐震不足問題。

未だに建築業界における悪習慣が無くならないのは
なぜなのか?

数年前から関西、滋賀でも受注を伸ばしてきた
○○ビルド(隠す必要はないかもしれませんが)。

先週の週刊文春に取り上げられました。

超ローコスト住宅では恐らく一番安いのでは
ないかと思います。

しかし、ローコスト住宅と一言で言っても、
安く建てるためには、それなりの理由があります。

いくつか挙げてみると・・・。

1. 建築資材の仕入れコストを下げる。
2. ある程度の間取りのルールを決める。
3. 職人さんの手間を安くしてもらう。
4. 社員の人件費を削減する。
5. テレビコマーシャル費を抑える。
6. 事務所関係の固定経費を少しでも抑える。

などなどが一般的な住宅会社が行っていることです。

まず1ですが、これはローコスト住宅に限らず、大手ハウスメーカー
でもやっていることだと思いますが、スケールメリットを
生かして、建築資材などの仕入れ価格を下げることです。

当然ですが、私たちも全国組織のグループに加盟しています
ので、設備機器や建材関係の仕入れに関しては、情報を
共有しています。

とは言っても、限界があります。

たとえば、定価100万円のシステムキッチンの
仕入れ価格を安くするために、年間で数百戸単位での
交渉をしますが、これが、数千戸単位だったとしても
実はそんなに仕入れ価格は変わりません。

当然、数戸単位であれば、数百戸単位とでは
かなり変わることは事実です。

つまり、スケールメリットを使ったとしても
ある程度で限界があるということです。

メーカー側にも最低の原価がかかっていますので、
さすがに赤字で物を卸すことはありません。
(しかし、信じられないくらいに安くなることは事実です)

次に2ですが、これは、大手ハウスメーカーさんでも
設計ルールというものが存在します。

ルールに沿ったプランニングでないと、建てません。

完全自由設計ではなく、セミオーダー的な感じです。

もちろん、地元の工務店レベルであれば、完全フルオーダーの
家を建てることは可能です。

が、そうなると、家の価格を提示する際に、一度積算しないと
価格を打ち出せないため、ある程度のルールを決めている
工務店が多いです。

たとえば、柱はどこどこ産の総ヒノキ柱で、
断熱材はセルロースファイバーでキッチンは
リクシルでと言う感じで決めています。

これに関しても、使う材料がまちまちだと、
1番の仕入れコストにも関わってきますので、
どうしても基本的な部分に関してはルールが
必要だと思います。

次に3ですが、これはあ現実に存在する話です。

本来、プライドも持って仕事をしている職人さん
ですが、職人さんをたくさん抱えている親方からすると
職人さんを遊ばすわけにはいかないので、少々安くても
仕事量が豊富にある、たくさん安定的に仕事を出してくれる
会社も取引先に入れておきたいという本音が存在します。

一時期、住宅着工棟数が減った時期などは、腕のいい職人さん
であれば、仕事は切れませんでしたが、そこそこの職人さんは
仕事が減ってしまい、手間を下げてでも仕事を取るように
なっていた時期もありました。

これ、一旦下がった手間は、なかなか上がらないというのが
現実ですので、腕のいい職人さんもとばっちりを
受けた人もいると思います。

しかし、これに関しては、もっと重大な問題があります。

それは、そもそも、職人さん、業者さんを手間が安いからと
言う理由だけで変えてしまう住宅会社が多いということ。

サラリーマンであれば、給料を下げてくれないなら、
安い社員に入れ替えるから・・・。

と言われているようなものです。

信頼関係もあったもんじゃありません。

安けりゃいいでは、それこそ外国人に仕事を
教えて使えばいいということになります。

職人さんにだって家族があるわけですし、
生活だってかかっています。

なので、仕事が増えだすと、手間のいい会社へ
どんどんと移っていく人も多いです。

となれば、手間の安い会社には、いい職人は
残らないということになります。

基本的に職人さんがころころと変わる会社は
危険だと思った方がいいです。

本当に信頼関係が築けていれば、他社から少し
手間のいい仕事の話があったとしても
今までお世話になったところを辞めて
他の会社へ行ったりはしません。

家を建てる住宅会社に今いる棟梁は何年いるのか?
を聞いてみればわかるのではないかと思います。

実は、職人同士の横のつながりの話の中では、
○○ビルドの仕事はやめたほうがええでというような
話は日常茶飯事で出ています。

いわゆる、業界の裏話です。

少しでも知り合いが建築業界にいるのであれば
聞いてみるのが一番だと思います。

なかり長くなりましたが、4、5、6に
関して、もし詳しくアップしてという方が
いらっしゃれば、またアップいたします。

長々とお読みいただきましてありがとうございます。

ではまた。

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