厨子 浩二のブログ

☆建築士とつくる、夢を叶えるデザイン住宅☆

2017.8.29 カテゴリー:厨子 浩二

おはようございます。

今日の話はかなり長いので、
覚悟をしてお読みください。

私は高卒の一級建築士です。 
 
滋賀県の草津東高校の普通科を 
ギリギリの成績で何とか卒業し、 
特にやりたいこともなく、 
何となくこの建築業界に入りました。 
 
全くのど素人。 
 
柱と梁くらいはわかってましたが、 
建築に関する知識はゼロでした。 
 
建築の専門学校を出た訳でもなく、 
当然、大学も行っていません。 
(今は、慶応大学の通信課程ですが法学部) 
 
建築系の大学を卒業していれば 
本来であれば、すぐに一級建築士を 
受験できる資格があります。(今は経験が必要〉 
 
が、何の知識もない一般常識も 
ままならない、普通科の高卒である 
私の場合は、まず、2級建築士を 
受ける為に実務経験が7年必要でした。 
 
19歳から7年間。 
 
当時は職人さんに毎日ボロカス怒鳴られ、 
「こらボーズ!」と 
ろくに名前も呼んでもらえず、 
日々、小間使いの毎日でした。 
 
26歳になり、ようやく2級建築士の 
受験資格を手に入れ、夜間の専門学校へ 
通うのですが、仕事でなかなか帰れない 
という状況で、いつも学校へ行く時間は 
講義の後の試験の時間でした。 
 
講義も聞いてないので、テストの結果は 
いつも悲惨な状況でした。 
 
毎回、テストの結果が廊下に張り出され 
いつもほぼ最下位です。 
 
学校からも、「絶対に受からないぞ」と 
いつも叱られてました。 
 
仕事の帰りにテストだけ受ける為に 
学校へ行き、家に帰ると疲れ果てて 
次に朝も早いので寝るという毎日。 
 
本試験の前にある、模擬試験の成績も 
悲惨でした。 
 
が、そこから本試験前、一週間、 
当時の勤めていた社長に無理を言って 
朝から夜遅くまで学校へ行き 
授業にない時間は自習し、仕事の用事がある時は 
ポケベルで呼び出され公衆電話から対応するという 
一週間でした。 
 
「これだけ会社に迷惑をかけたからには 
絶対に一発で合格しなければ。」 
という意気込みだけはありました。 
 
最後の追い込み。 
 
まさにそういう状態でした。 
 
自分の実力がどの程度付いたのかも 
わかる機会もなく、試験に臨みました。 
 
試験が終わり、会場の外には 
学校関係者がいて、その人に自分が書いた 
回答を控えておいて、渡すと 
その日の夜には学校側で問題を解いて 
すぐさま合格ラインをだし、結果を 
生徒に知らせるというものでした。 
 
かなりやりきった感はありました。 
 
難しい構造関係の計算問題は 
すべて捨てました。 
 
祈るような想いで、学校からの 
電話を待っていたのを今でも思い出します。 
 
夜10時30分くらい、電話が鳴りました。 
 
「提出した回答、ほんまに間違ってないか?」 
といきなり言われました。 
 
間違いなく、回答を控えたので、 
「はい。間違いありません」と答えると・・・。 
 
「合格してるねん。なぜか?」 
「もう一度聞くけど、ほんまに間違ってないか?」 
「まぁ、念のため、製図の講義に来るように。」 
 
それから約一か月後に正式な合格発表があり 
めでたく、一発合格することが出来ました。 
 
周りからは、「なんでお前が受かるん・・・?」 
と、夜間学校の七不思議の話題でもちきりでした。 
 
「あっ。わかった。隣の人が凄い人でカンニングした?」 
とまで言われましたが、カンニングは一切していません。 
 
というか、そんな試験でカンニングして、 
周りの人を信じたばかりに不合格したほうが 
悔やまれると思うからです。 
 
それなら、自分で納得して不合格の方がましです。 
 
その後、製図の試験も一発で合格し、 
そして、2級建築士取得から4年の 
実務経験をもとに、1級建築士へチャレンジし、 
また夜間学校へ通い、成績は最下位でしたが、 
今度は学校からは何も言われませんでした。 
 
ある意味、認めてくれていたのかもしれません。 
 
そして、本試験前、今度は2週間、会社から 
許可をいただき、時代も変わり、携帯電話を 
持たせてもらい、学校から携帯電話で 
現場の手配などを済ませ、日々、自習と講義を 
繰り返しました。 
 
まずは、学科試験に一発合格。 
この時は、あまり驚かれませんでしたが 
逆にかなりのプレッシャーを感じてました。 
 
さぁ、次は難関の製図試験。 
 
一級建築士の場合、学科試験で半分以下になり 
その後の製図試験でまたその半分以下になるという 
合格率で言うと10%台でした。 
 
学科試験よりも、製図の方が私的には好きでした。 
 
詳細な課題は当日試験会場でしかわからないため、 
とにかくエスキース(ラフプラン)から 
図面を書ききることが重要でした。 
 
何とか、制限時間内ギリギリでしたが 
課題の図面を書ききることができ、 
後は、発表待ち。 
 
学科と違い、事前に合否はわかりません。 
 
年末のクリスマス近くに製図試験の合格発表があり 
見事、製図も一発合格することが出来ました。 
 
奇跡。 
と言われましたが・・・。 
 
運も実力のうちといいますが、 
製図試験の場合、基本、書ききっている図面しか 
採点対象にならないことを知っていたので、 
まずは、課題の要望をすべて満たすよりも 
書ききることを優先して考え、多少の減点は 
仕方ないと考えてました。 
 
製図で落ちる人は、ほとんどが図面が 
仕上がっていない人でした。 
 
まるで成り上がりのような人生ですが、 
今でも、プランニングは好きですし、 
得意だと自分でも思ってます。 
 
最近は、うちの専務がプランニングを 
担当してくれていましたので、 
私がお客様のプランニングをする機会が 
ありませんでしたが、今回、私の友人の身内である 
お客様であったため、久しぶりに 
プランニングを楽しむことが出来ました! 

ビルトインガレージのある家

 
その友人も一級建築士なので、 
さすがに他にプランをさせるわけにはいかないし・・・。 
 
ビルトインガレージ3台分で、 
ルーフテラスバーベキューが出来る、 
ナチュラルカフェスタイルの家です。 
 
予算は無視しました(笑)。 
 
夢は、このガレージに、ランボルギーニ 
アヴェンタドールを入れること。 
 
そして、LDKのどこからでも 
その車が見えること。 
 
ガレージとLDKの間は、 
すべて全面ガラスです。 
 
まるで、車のショールームです。 
 
でも、夢があるお客様の話を聞くだけで  
こっちもワクワクしてきます。 
 
たまには、こういう贅沢なプランもいいもんです。 
 
夢が詰まった図面に仕上げます。 
 
このプラン、ハウスメーカーでは 
絶対に建てられません。 
 
いやぁ、プランって本当に楽しいです。

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