いい家づくりコラム

災害に強い土地の探し方~土地選びの基礎知識(1)

2017年3月12日

家を建てるための土地探しは、予算内でさまざまな条件を比較しながら、自分たちに最適な場所を探していくとても大変な作業です。
地形、方角、環境など、数多くのチェック項目のなかで最も重要視すべきなのが「災害への強さ」。日本は世界的に見ても、自然災害の多い国です。「自分の家は大丈夫」という根拠のない希望的観測ではなく、「必ず起こる」という想定に立ってリスク回避を考えることが重要です。


日本は自然災害大国

日本は地震が多いというのは、国民の常識ですね。実際、下図の震源分布では、日本列島が震源で隠れて見えないほど集中しています。

世界のマグニチュード6以上の震源分布とプレート境界

なぜこれほど日本付近に集中しているかというと、地球上を少しずつ移動しているプレートが日本列島の周りで4枚もぶつかり合っていて、地震の元になる力が蓄えられやすくなっているから。
こうしたプレート同士のぶつかりによってひずみが生じ、それに耐えられなくなったプレートが跳ね上がって起こるのが「海溝型地震」。一方、陸のプレートのなかでひずみがたまり、岩盤の弱い部分がズレて起こるのが「断層型地震」です。今後も活動を繰り返す恐れがある断層を「活断層」と呼んでおり、下図によると日本にはこんなに多くの活断層があることがわかります。

おももな活断層

活断層の問題は決して他人事ではなく、私たちの住む滋賀県、琵琶湖の周辺にも多くの活断層が存在しています。
各地の活断層について
間違って活断層の上に、大切なマイホームを建ててしまったとしたら・・・考えただけでもゾッとしますね。

さらに、近年進行する地球温暖化により、雨の降り方も変わってきています。普通に降る雨が減り、一度にドッと降るいわゆるゲリラ豪雨が増えているのは、皆さんも実感されているのではないでしょうか。台風の数も強度も、今後どんどん増加する傾向があると予測されています。

地震や風水害をはじめ、大雪や落雷、土砂崩れ・・・。私たちの生活を脅かす自然災害は脅威を増しています。土地選びの第一段階でしっかりと「防災」について考えなくてはならないことがよくわかります。
(資料出典:平成28年度版 防災白書)


「よい地盤」には2つの意味がある

地震に強い土地かどうかは、ずばり「地盤」の良し悪しにかかっています。しかし、地盤とは何かと問われると、正確に説明できる人は少ないのではないでしょうか。
専門的に言うと、地盤の強弱には2つの意味があります。
1つは、もともとの地形の成り立ちに起因する、そのエリア全体の地盤の強弱。たとえば、水が集まる低地や海岸沿いの埋立地は地盤が弱いとされています。自然が創りだした土地の個性と言うこともできますね。
もう1つは、具体的に建物を建てるとき、その敷地がどれぐらいの重さの建物まで支えられるかということ。これを「地耐力」と呼んでいます。一戸建ての場合、地表から5mほどの深さまでに、柔らかい地層(自沈層)がないことがポイントになります。その範囲の地耐力が3トン(1平方メートルあたり)あれば、良好な地盤と言えるでしょう。
土地を探す際は、まず前者の意味で地盤の良し悪しを1つの判断材料にします。そして、いざ建物を建てる際には、後者の「地耐力」をチェックします。ひとくちに地盤と言っても、2つの意味でチェックする必要があるのです。


自然の地形から地盤の特性を知る

地形の区分は、大まかに下記の4つに分けられます。
・山地
・丘陵地
・台地(段丘)
・低地
長い年月をかけてできあがった地形にはそれぞれに個性があるため、地形から地盤の特性をおおよそ知ることができます。
一般的に山地、丘陵地、台地では地盤はしっかりしていますが、傾斜が急な箇所では地滑り、斜面崩壊、土石流などが起こりやすいので注意が必要です。
一方、低地は洪水や津波の被害を受けやすく、軟らかい粘土やゆるい砂が多いので、土地に含まれる水が多く、沈下や地震の際には液状化が起こりやすいところ。
それぞれの地形には起こりやすい自然災害があり、まったく自然災害の起こらない地形というものは存在しません。その土地の傾向を知って有効な対策をとることが重要です。


「地盤沈下」で怖いのは「不同沈下」

混同されやすい「地盤沈下」と「不同沈下」ですが、この2つには大きな違いがあります。
「地盤沈下」は、災害や地下水の汲み上げなど何らかの原因で、その地盤全体が下がる現象のこと。それぞれの敷地や建物がバラバラに動くのではなく、周辺道路も含めて広範囲に沈み込む現象のことを言います。
家づくりでそれよりも気をつけなければならないのは「不同沈下」。地盤が均等に沈まない不同沈下では、上に建っている建物が傾くなど、生活に大きな影響を及ぼしてしまうのです。床に置いたビー玉が1つの方向に転がったり、ドアや窓の開け閉めが難しくなり、酷い場合には外壁や基礎にひびが入ったり・・・。屋内にいると、その傾きから気分が悪くなったりしてしまうことも。

不同沈下が起こる原因として、よくあるのが傾斜地を造成した場合です。もともとの斜面を切り取った部分を切土、逆に斜面に土を盛って盛土をするのですが、地震で大きな揺れがあると、盛土や盛土を支える擁壁が崩れやすいのです。
もちろん、全ての傾斜地が不同沈下を起こすというわけではありません。こうした事情を知ったうえで、そうならないよう地盤をしっかりと調査し対策を考えれば、傾斜地であっても安心して暮らせる土地に造成することは可能。怖いのは、傾斜地造成の際、不同沈下を警戒することなく、通りいっぺんの対策で済ませてしまうことです。


安心して暮らすための土地の選び方

マイホームを建てる土地を探す際には、希望の地域を最初に決め、そのエリアのなかで、予算に合う土地を探していく方が多いと思います。
ただ、地盤の個性は土地の地形によって決まる部分が多くあります。海や川に近い、山が近くに迫っているなどの自然地形は、後から動かせるものではありません。
もしも希望しているエリアが、過去に土砂崩れを起こしていた、水害が多いなどの不安点があれば、土地を探すエリア自体を考えなおすことが必要です。
順番としては
(1)まず自然災害のリスクをチェック
(2)リスクの少ない土地のなかで、希望のエリアを決定
(3)そのエリア内で予算や条件に合う土地を探す
ということになります。
家を建ててしまったら、土地選びをやり直すことはできません。交通に便利だから、生活環境がいいからと、防災面のチェックをせずに土地を購入することのないように気をつけましょう。


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