いい家づくりコラム

知っておくべき二世帯住宅のメリットとデメリット

2017年3月26日

二世帯住宅は2つの家計から資金を合算でき、税金面でも多くのメリットがある反面、決して軽く考えることのできないデメリットも存在します。
デメリットへの対策をとることなく家のプランニングを進めてしまうと、数年のうちに後悔することにもなりかねません。そうならないために、今回は二世帯住宅づくりを成功に導くポイントについてご紹介。さらに、税金面でのメリットと注意点についても詳しくお伝えします。


二世帯住宅の3つのパターンを知ろう

まずは基礎知識として、二世帯住宅の3つの代表的なパターンを知っておきましょう。

(1)「完全分離型」二世帯住宅

プライベートを重視し、各世帯が完全に分離した二世帯住宅の型。ただし、全ての設備が2つ必要になるので、最も建築費用のかかるパターン。

(2)「完全共用型」二世帯住宅

住まいのほぼ全域を共有しあう型。建築費用は抑えられ、光熱費なども一括で支払える経済性がメリット。ただし、プライバシーは保ちにくく、状況によってはストレスが溜まることも。

(3)「部分共用型」二世帯住宅

玄関やキッチンは分けるけれどリビングは共有するなど、住まいの一部を共有する型。やや建築コストはかかるが、プライバシーは保ちやすい。

この3つに加え、左右で分けるのか上下で分けるのかという選択肢も。どのパターンを選ぶかによって、プランニングの注意点や税金面でのメリットも変化します。

知っておくべき二世帯住宅のメリットとデメリットイメージ

後悔しない二世帯住宅、プランニングのポイントは3つ

一世帯だけでマイホームを建てる場合と違って、住んでからの人間関係が複雑かつ濃密になるのが二世帯住宅。価値観やライフスタイルの異なる2つの世帯が、同じ屋根の下でずっと暮らすことになるので、プランニングには特に慎重を期す必要があります。
住んでから後悔しないために、気をつけたい3つのポイントをご紹介します。

(1)ライフスタイルの違い

まず最初に考えるべきことは、2つの世帯のライフスタイルの違いについて。
たとえば生活時間帯の違いです。早寝早起きの親世帯に対し、子世帯は休日にはゆっくりと寝ていたかったり、子供を寝かしつけた夜に自分の時間を持ちたいと考えているとすれば、生活時間帯に大きなズレが生じます。事前にこの差を考えて、お互いが音の問題などを気にせず過ごせるような間取りにすることが必要です。
また掃除機をかける頻度や洗濯の回数なども、世帯間にギャップが生じがちな事柄です。
これらのギャップは口にはしなくても、見ているだけでストレスを感じてしまうことも多いのです。いっそ見なくて済むように、あえて距離をとったり物理的に壁を設けるなどの対策を取る必要があります。

(2)部分共用型の場合は、どこを共用にするか

完全共用型、完全分離型のどちらかであれば迷うことはありませんが、部分共用型の場合は、どこを共用にするかをよく考えなければなりません。
たとえば一日の疲れを癒やすお風呂や、三度の食事をつくるキッチン。そこが共用になっていると、毎日のように遠慮したり気を使う必要が出てきます。小さな我慢でもたまると大きなストレスに発展するため、注意が必要です。

(3)息子夫婦か娘夫婦か?親世帯との関係性も考慮する

一緒に住むのが息子夫婦なのか娘夫婦なのかも、プランニングを左右する問題です。
息子夫婦と親が住む場合、一般的に息子は働きに出るため在宅時間が短く、お嫁さんの方が在宅時間は長くなります。するとTVでよく見る「嫁姑問題」が起こりがちなのです。
また娘夫婦と親が住む場合は、摩擦は起きにくい一方、夫の存在感が希薄になり、居場所がなくなってしまう危険性を持ち合わせています。

もうひとつ忘れてはならないのが、同居をしない親への気配り。二世帯住宅は、同居をしない親からすれば、想像以上に敷居が高い住まいになります。離れて住む両親が気兼ねなく遊びに来れるようなプランニングを考えるのも大切なことです。


二世帯住宅、税金面でのメリットと注意点

二世帯住宅は資金面、税金面で多くのメリットが得られることが魅力のひとつ。ただし、トータルで損をしないためには注意すべき点も多いので、ひとつずつきちんと見ていきましょう。

贈与税を節約する「贈与特例」はきっちり利用する

まずは大前提として、「贈与特例」をきっちり利用すること。
マイホームを建てる資金を親世帯から援助してもらう場合、贈与の特例措置により贈与税を節約することができます。たとえば2015年度の特例措置では、一般住宅で1,000万円、省エネ等高性能住宅で1,500万円(※年度により特例措置は変わります)まで、贈与税が非課税となります。
これに加え、毎年110万円までなら非課税で贈与を受けられる、暦年非課税制度(※1)(暦年贈与)も利用できます。

ただし、この特例は土地の購入単体には利用できないため、土地購入の際に先行して贈与を受けてしまうと贈与税がかかります。土地購入で特例の恩恵を受けるには、土地の売買契約と請負契約を同日に行い、贈与を受ける必要があるので注意が必要です。

親世帯からお金を借りるときの注意点と節税ポイント

親から資金を借りて家を建てれば、贈与ではないので無税ですし、親子間なら金利がかからないのも魅力です。
ただしこの際、(1)借入をする金額、(2)返済期間と毎月の返済額、(3)親世帯の名義の通帳に振込で返済をしていくこと、最低でもこの3点は明確にしておくことが大切。住宅会社の担当者などプロの目でも確認してもらい、正式な貸借契約の契約書も作成して、親世帯、子世帯それぞれで保管をされることをお勧めします。

ひとつ注意点としては、将来的に親世帯が他界したとき、コツコツ子から親へと返済したお金が、今度は親から子へと相続されることになるので、このときに相続税がかかること。これを避けるには、毎年の返済額を110万円までにおさえ、上記の非課税枠(※1)を使った贈与と相殺するようにすると、税金をかけずに親から子へ資金を移すことができます。

登記の際の節税ポイントと注意点

土地や住宅を購入したときにする、土地や建物の所有者等を登記簿に記載する「登記」。このときにも節税できるポイントがあります。
(1)共有登記
たとえば5,000万円の家を建て、親世帯が全額費用を負担したとして、それぞれ持ち分を2,500万円ずつ登記したとします。すると親世帯の持ち分である2,500万円には、親世帯が自身の住居費用に自己資金を投資しているだけなので、贈与税はかかりません。残りの2,500万円が子世帯への贈与と考えることができ、贈与税の負担を軽くすることができます。
ただしこの場合も、親の持ち分である2,500万円には、将来的に相続税が発生する可能性が残されていることは知っておきたいところです。
(2)区分登記
一定の条件を満たすことで、一軒の大きな家ではなく、小さな家が2軒くっついているとみなされ、不動産取得税、固定資産税についても節税することができます。
その条件とは
・玄関、水回り、部屋など全てを別に設ける完全分離型の間取りであること
・親世帯、子世帯それぞれの持ち分を分けて登記(区分登記)すること
この2つの条件を満たすと、不動産取得税については控除額内に収められる可能性が高くなります。また固定資産税に関しても、土地と建物の両方に関して税額軽減の特例を2戸分受けられるのです。

ただし二世帯住宅の登記に関しては、ご両親が他界された後のことをしっかりと念頭に置き、計画時から慎重に話し合いをしておく必要があります。特に兄弟がいる場合、親名義の土地と建物は相続の権利がありますから、相続時にトラブルに発展しがち。口約束も非常に危険なので、家づくりの担当者、相続の専門家にしっかり相談し、クリアにしておく必要があります。


二世帯住宅を安易に考えてはいけない

建築資金や税金面でのメリットが大きい二世帯住宅。住宅会社に行くと、二世帯住宅の成功例を聞かされることが多いかもしれません。しかし住宅会社ではあえてデメリットにスポットを当てていないだけ。メリットの裏には必ずデメリットが存在しています。

二世帯住宅を安易に考えることなく、多くの問題を事前に想定し、真正面から向き合ったご家族だけが、幸せな二世帯住宅を手に入れることができるのです。失敗しない二世帯住宅の具体的なプランニング方法については、今後もこちらで詳しくお伝えしていきます。


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