いい家づくりコラム

分別回収イメージ

家が片付くゴミ(箱)と掃除機の置き場所

2024.10.20

家を建てるとき、ゴミやゴミ箱、掃除機の置き場所までしっかりと計画していますか?「ゴミや掃除機のために貴重なスペースをとるの?」と思われるかもしれませんが、あるのとないのとでは、片づけやすさに大きな差がでます。
今回はゴミと掃除機のためのスペースについて解説します。すっきりと片付いた家にしたい人は、ぜひ専用の収納スペースを設けてください。


ゴミ(箱)の保管場所がないと家は散らかりやすい

マンションのように24時間いつでもゴミをゴミ捨て場に出せればよいですが、一軒家の場合はゴミの回収日まで家の中で保管するのが一般的。しかし、家の中でゴミが頻繁に視界に入ると、雑然とした印象になってしまいます。家の中をすっきりと片づけるためには、ゴミを保管しておけるスペースを確保することが有効です。では、ゴミの保管スペースにはどの程度の広さが必要なのでしょうか。


4人家族なら、たたみ半畳分の資源ゴミ保管スペースを確保しよう

生活ゴミのなかでも段ボールや新聞、ペットボトルといった資源ゴミはかさが大きく、保管するにはそれなりのスペースを要します。4人家族の場合、家中のゴミをまとめると大体たたみ半畳ほどの量に。掃除用具の収納と併用でもよいので、少なくとも【幅90cm×奥行き45cm】のスペースを資源ゴミの保管用に確保しましょう。


キッチンのゴミ(箱)置き場に必要なスペースは?

家の中でとくにゴミが溜まりやすい場所がキッチンです。生ゴミはもちろん、ペットボトルや缶など飲食に関するゴミは、まずキッチンに集まりますよね。リビングダイニングとつながっているキッチンの場合、飲食以外のゴミもキッチンのゴミ箱に捨てる家庭も多いのでは。

キッチンのゴミ箱の場所として理想的なのはシンクの下やカップボードの下です。通路にゴミ箱を置いているとなんとなくゴミ箱が目立ってしまいますが、シンク下やカップボード下なら目立たず、すっきりと片付いた印象になります。分別のためにゴミ箱を複数置く場合、少なくとも【幅80cm×奥行き50cm×高さ60cm】のスペースが必要です。住み始めた後、改めてキッチンにこの広さのスペースを空けることはなかなか難しいため、家の間取りを考える際に計画的にスペースを確保しておきましょう。


におう生ゴミ、解決策は?

キッチンで出るゴミの中でも扱いが難しいのが生ゴミです。とくに夏場はニオイに悩まされる人も多いのでは。生ゴミのニオイ対策を5つご紹介します。

キッチンシューター

キッチンシューターは、キッチンに設けた専用の穴から外にあるゴミ箱へゴミを捨てられるというもの。外壁に背の低いロッカーのようなものをつけて中にゴミ箱を置き、そこにゴミが入るという仕組みです。最近はスタイリッシュな外観の家が増えてキッチンシューターのある家を見かけなくなりましが、生ゴミのニオイが気になる人や生ゴミを家の中に置いておきたくない人にはうってつけのツールです。

ディスポーザー

ディスポーザーはシンクの排水口の中に取り付ける生ゴミ粉砕機です。排水口のかごに溜まる生ゴミを片づける必要がなく、その場で処理できるためゴミ箱から生ゴミがにおうストレスもありません。まさに、理想的な生ゴミの処理方法でしょう。ただし、ディスポーザーを設置するには排水処理槽を設置しなければならず、メンテナンスも必要なため高いコストがかかります。

冷えるゴミ箱

ニオイを防ぐために生ゴミを冷凍庫に保管している人や、そうしたいけれどゴミを冷凍庫に入れることに抵抗をもつ人におすすめなのが、保冷機能がついたゴミ箱です。マイナス10度程度まで冷えるため、生ゴミを凍らせて不快なニオイを抑えることができます。生ゴミに限らず、オムツやペット関連のゴミなど、ニオイの心配があるものに最適です。ただし、ゴミ箱といえども家電のため高額で、電気代もかかります。

生ゴミ乾燥機

生ゴミを乾燥させる家電で、ニオイを抑えるだけでなく、乾燥させることでゴミの容量を大きく減らせる優れもの。乾燥した生ゴミはガーデニングの肥料としても再利用可能です。高額な家電ですが、自治体によっては助成金も支給されます。

防臭ゴミ袋

生ゴミのニオイを解決したいけど工事や高額な買い物はしたくない、大きな家電を増やしたくないという人には、防臭袋がおすすめ。高品質な防臭袋は、生ゴミやオムツ、ペット関連のゴミなど、強いニオイでも一切漏らしません。袋のサイズによりますが1枚あたり10円前後と防臭機能のない普通のゴミ袋よりも割高ですが、生ゴミのニオイ対策としては最も手軽な方法です。


掃除機はすぐに取り出せる場所に置くと掃除がはかどる

掃除機の収納場所はサニタリーやリビング、ダイニングの近くをおすすめします。これらの場所は家の中でも汚れが目立ちやすいため、素早く掃除機を取り出せるとキレイが保ちやすくなります。


【タイプ別】掃除機の収納に必要なスペース

スティック型

スティック型掃除機の収納に必要なスペースは、製品のサイズや充電スタンドの形状によりますが【幅30cm×奥行き30~40cm×高さ150~170cm】が目安です。本体からホースを外して収納すれば、スペースに必要な高さをもう少し低くできます。収納場所で充電できるよう電源の確保を忘れずに。スティック型は壁掛けやスタンドに立てることができるため、収納にしまわず出したままにするという手もあります。

キャニスター型

キャニスター型は昔に比べて本体は少し小型になったとはいえ、ノズルと延長管は太く全体としてはボリューム感があります。ただし、延長管を外して収納するとスティック型のように収納に高さは必要なく、想像よりもコンパクトに収納できます。スペースの目安は【幅40cm×奥行き40cm×高さ90cm】。延長管を外さずそのまま収納したい場合は【高さ110cm前後】を確保しましょう。

ロボット型

ロボット型はスティック型やキャニスター型と比べて、最も省スペースで済みます。収納や階段の下に充電可能な専用の基地をつくるとよいでしょう。目安は【幅80cm×奥行き50~70cm×高さ15cm】。自動でゴミを収集してくれるクリーンベースが一体となっている機種は、クリーンベース本体の高さに加えて、クリーンベースのフタを開けて紙パックを交換するために必要な高さも考慮しなくてはなりません。その場合【高さ80cm以上】は必要なのでよく確認した上で設計しましょう。


各階に掃除機があると効率的

2階建て、3階建ての家の場合は各階に掃除機があると効率よく掃除できます。2階で「ちょっと掃除機かけたいな」と思ったとき、掃除機を1階に収納しているとわざわざ1階まで降りて、また上がってこなければいけません。これが3階だった場合、「1階まで降りるのは面倒だから、まぁいいか」と諦めてしまう可能性が高いでしょう。家の中のキレイを保つコツは汚れをため込まないこと。自分にとって使いやすいタイプの掃除機を各階に置いて、こまめに掃除をすると家の中が片付きますよ。2階、3階の掃除機収納は、各部屋からアクセスのよい階段ホールに作るとよいでしょう。


ゴミや掃除機の居場所があると、家は片付く

散らかりやすい家は、物の居場所がない場合が多くあります。ゴミの保管や掃除機の収納のように明確な目的のある収納スペースは、その使い勝手に直結するため「広さと場所」が非常に重要です。片づけやすい家をつくるなら、家を建てるときにゴミや掃除機の収納場所までしっかりと計画しておきましょう。