よくあるご質問

リビングに吹抜けを作ったら寒い家になりますか?

カテゴリー:プランや仕様について

ご相談内容

現在、築35年の家に両親と同居をしています。娘が小学校にあがるのを機に、完全共用型(※1)の二世帯住宅に建て替えようと計画をしています。
私と主人は、リビングには開放感のある吹抜けを希望していますが、両親は寒くなるので嫌だと意見が分かれています。
最近の家は、昔に比べて性能が良くなっているから大丈夫だと説得しているのですが、聞き入れてくれません。
ただ、友人が吹抜けのある家を建てたのですが、遊びに行った時に、確かに少し寒いように感じました。
プロの意見として、吹抜けのメリットとデメリットについて教えてください。
※1)完全共用型二世帯住宅とは・・・住まいのほぼ全域を共有しあう型。建築費用は抑えられ、光熱費なども一括で支払える経済性がメリット。ただし、プライバシーは保ちにくく、状況によってはストレスが溜まることもあるので注意が必要。

フィックスホームからの回答

吹抜けのメリットとデメリットについてのご相談です

開放感のある吹抜けを作りたいけれど、どのようなメリットとデメリットがあるのかを知った上で検討したいと思っている方は多いと思います。従来からの吹抜けのイメージとして、冬、足元が寒いのではないか?とか、冷暖房費がかさむのでは?と、心配される方が多いのも現実です。

そこで今回は、吹抜けのある家のメリットとデメリットのお話しと、どんな家が吹抜けに適していて、どんな家が適していないのか、そもそも吹抜けのある家ってどうなの?という疑問を分かりやすく解説していきたいと思います。

吹き抜けイメージ

1. 吹抜けを作るメリット

吹抜けを設ける時のメリットはいくつかありますが、ここでは代表的な3つに絞ってお伝えしていきます。

●開放感があり、部屋が明るくなる(実用性)
吹抜けの最大のメリットは1階と2階がつながることで、天井が高くなり、開放感と明るさを得られること。天井まで見渡すことが出来るため視線の抜けがよくなり、部屋全体を見渡した時に、実際の広さよりも広くみせる効果があります。

2階の吹抜け部分に窓を設置することにより、室内が自然と明るくなります。また部屋の奥の方まで自然光を取り入れることができ、「明るい家にしたい」と考えている場合には非常に効果的です。

南側に背の高い建物がある場合や、狭小地で住宅に囲まれた場所では、室内が暗くなってしまうことが多いですが、吹抜けを作ることにより、室内を明るくできる可能性が高くなります。

●家全体の繋がりができ、リビング階段と合わせれば、空気の流れが非常に良い(快適さ)
敷地や、間取り、設計などにより変わりますが、吹抜けを設けることで風通しを良くすることができます。吹抜けをつくることにより、空気が低い窓から高い窓へ流れていくため、家の中に外気を自然に取り入れ、換気を行うことができます。

またフィックスホームのエコ住宅では、エアコン1台で冷暖房を行う設計により、吹抜けはリビング階段と合わせて、空気の通り道になり、家全体の室温を均一化するために大きな役割を果たします。
さらに吹抜けの天井部分にシーリングファンを設置すれば、1階と2階の空気をかきまぜることで、室内の空気を循環させることが出来ますので、どの部屋でも快適に過ごす家づくりが可能になります。

●デザイン性が高く、家がおしゃれになる(見た目)
吹抜けのある開放的な空間をつくると、家全体が広く見えるので、おしゃれな空間に仕上がります。おしゃれな家づくりをしたいという方にとっては、吹抜けをつくることは家づくりにおいて非常に重要な視覚的要素になります。

また、吹抜けのある家はリビング階段と非常に相性が良いため、フィックスホームでも、吹き抜けを採用する方は、リビング階段も同時に採用する割合が高いです。広々としたリビングにリビング階段を合わせて設置するだけで視覚効果により、より部屋を広く見せることが出来ますし、おしゃれな家にすることが出来ます。

2. 吹抜けを作るデメリット

吹抜けのある家は、デザイン性や快適性などの魅力が増す一方で、逆にそれがデメリットにもなる可能性があります。

住み始めてから「吹抜けを作れば良かった・・・」、「吹抜けを作って失敗した・・・」と後悔しないように、吹抜けにはどんなデメリットが生じるのかもしっかりと認識した上で、検討を進めていただきたいと思います。

吹抜けを作る時のデメリットについても、3つに絞ってお伝えしていきます。

●吹抜けがあることで、2階として使用できる床面積が減少する

吹抜けを作るということは、2階の床を作らず1階と2階の空間をつなげる訳ですから、おのずと2階として使用できる床面積は少なくなります。吹抜けを作るために、他の部屋の広さを削ったり、収納スペースも削る必要があるかも知れません。吹抜けに関して言えば、間取りの相談をしている時に、ご家族で意見が分かれる最大のポイントでもあります。

当然ですが、吹抜けと部屋の広さや収納スペースの両方を叶えていこうとすれば、家全体を大きくせざるを得ませんので、その分、建築コストが上がってしまうことにもつながります。

●メンテナンスと掃除に手間がかかる

開放的な空間やデザイン性に惹かれ、吹抜けを検討されるお客さまも、落ち着いた頃に気付くのがココ。吹抜け部分の窓や窓台、化粧梁などの上部は、掃除がけっこう大変なのです。特にバルコニーに面していない窓の外側は、ほぼ出来ないと覚悟しなくてはなりません。

外側にある窓は、どうしてもクモの巣や泥やホコリが付きやすく、汚れが目立ってしまいます。しかし吹抜け部分の窓は高い位置にあるため、簡単に掃除することが出来ません。どうしてもの場合は、足場を組んだり、専門の業者に依頼する必要も出てきます。

また実際に、吹抜けのある家のオーナーさまの話をきくと、吹抜けはメンテナンスが非常に大変だという意見を良く聞きます。例えば、吹抜けの状況によっては、足場を組まなければ照明器具やシーリングファンのメンテナンスや交換ができない場合もあります。

その場合には、当然ですが交換費用以外に、足場を組む分の費用が余計にかかってしまいます。将来的には、壁のクロスの張り替え時にも同じことが言えますので、総合的に考えて維持費は高くなりやすいと言えます。吹抜けはメンテンナンスがしづらいということを頭に入れておいた上で、ご検討される方が良いでしょう。

●音やニオイ、光熱費が心配

吹抜けがあると、お互いに家族の気配を感じることができる一方で、リビングでの話し声やテレビの音、家族の声が筒抜けになり、静かな空間の確保は難しくなります。吹き抜けのあるリビングに来客があった場合、話し声や笑い声が家中に声が響き渡るため、静かに過ごしたい人がいるとデメリットになります。

また生活音としては、掃除機の音や部屋の片付け、食器を洗う音に至るまで、吹抜けのある空間で起きる音は防ぐことは、非常に難しいと言わざるを得ません。今回のご相談者さまのように、二世帯住宅で吹き抜けを設置する場合は、お互いに生活リズムがすれ違う場合も多い傾向があるので、特に慎重に検討する必要があります。防音対策を施すなどをすれば軽減することが出来ますが、やはり完全にとはいきません。

また解決しにくいのがニオイの問題です。キッチンからリビングダイニングに続く間取りとなっている場合には、強いニオイのする料理だと吹抜けを通って2階にまで上がっていく可能性もあります。吹抜けに隣接している場所で、洗濯物を干している場合はニオイがついてしまう可能性もあるでしょう。

吹抜けを検討する際に、よく心配されるのが「寒さ」と「光熱費」です。今回のご相談者さまのご両親のように、吹抜けのある家は冬が寒いとイメージされる方が多いのも現実ですが、現在の住宅は、

以前に比べ、かなり性能があがっているため吹抜けのあるせいで、必ずしも寒い家になるということは一概に言えません。吹抜けのある家が寒いかどうかは、家の断熱性と気密性(基本性能)によって大きく変わってきます。

逆に考えれば、断熱性と気密性をきちんと確保することが出来るのならば、吹抜けがあっても、なくても、現在の家は冬場が寒いなんていうことはありません。滋賀の気候に合った住宅性能を満たし、コストを抑えた家が、フィックスホームの建てる高気密・高断熱住宅(省エネ・エコ住宅)です。

簡単に例えるならば、性能の良い家は、魔法瓶のようなものです。魔法瓶は一度、暖かいお湯や冷たい水を入れると、それが何時間も持続します。つまり断熱性や気密性の高い家は、室内で暖められた空気や冷たい空気が外に逃げることはほとんどなく、外気の影響を受けることもほとんどありません。

しかし、いくら設計が良くても工事の品質(職人の腕)次第で、家の性能は大きく変わります。つまり同じ設計の家でも、工事の良し悪しでも家の品質は大きく変わってくる点には注意してください。

3. まとめ

家を建てる土地や家の性能、そこに住むご家族の条件、間取りなどによりますので、単純に吹抜けを作った方がよい、やめた方がよいと区別することは出来ません。

ですが、開放感が欲しい、広い空間を作りたい、日当りを良くしたい、おしゃれな家にしたい、家族との距離が近い生活環境を手に入れたい方にとっては、吹抜けをつくることで満足度の高い家づくりをすることが出来ると思います。

吹抜けのメリットは、同時にデメリットにもなり得ます。吹抜けはデメリットも多いですが、その分多くのメリットを得ることができるのです。

吹抜けを設置したことにより2階からの転落の危険もあり、安全性の面で考えても可能性はゼロではありません。

今回のご相談者さまのように、二世帯住宅を考える場合、吹抜けはプライバシーの確保という面では非常に難しくなります。そこでフィックスホームのエコ住宅では、吹抜けのデメリットを軽減するご提案もしています。

これを機会に、吹抜けや間取りについて、研究してみるというのはいかがでしょうか?
何かご不明な点がありましたら、遠慮なくご相談ください。