よくあるご質問

建築費を抑えるには、どこを削れば安くなりますか?

カテゴリー:家づくりのお金について

ご相談内容

現在、あるハウスメーカーさんに建物の相談をしていて、間取りを検討しています。家族の希望を叶えようとすると、どうしても考えている予算を大きくオーバーしてしまいます。
ですが一生に一度の家づくりなので、出来る限りのことはしたいと思っています。
建物費用を抑えるポイントを教えてください。

フィックスホームからの回答

人生は家づくりだけで考えないでください

ご相談者さまの、「一生に一度の家づくりなので、出来る限りのことはしたい」というお気持ち、とてもよく分かります。いつも私たちは、家づくりを検討される皆さんに、「人生は家づくりだけで考えないでください」、「家づくりに人生をかけないでください」とお願いしています。なぜなら、家づくり以外にも、人生でお金の掛かることは、他にもあるからです。

だからこそ私たちは、ご自身が、ご家族が望む未来を手に入れていただけるよう、優先順位をつけ、バランスよく生きていけるようにアドバイスをさせていただいています。確かに家づくりは、人生の中で何度も経験することの出来ない、大きなイベントの一つです。しかし、一歩間違えば、人生を大きく狂わせてしまう可能性のあるイベントであることも、決して忘れてはいけません。

そこで今回は、ご自身やご家族の希望を叶えつつ、建築費をコストダウンするポイント、もしくはコストアップを防ぐためのポイントについて、解説をしていきたいと思います。

家づくりのお金イメージ

1.建物の外形を整える

コストアップを防ぐポイントの一つ目は、建物の形状です。建物の出っ張った部分を出隅(でずみ)、入り込んだ部分を入隅(いりずみ)といって、出隅や入隅が多く複雑な外形をしている建物は、コストアップにつながりやすいと言われています。

最近の流行であるデザイン優先の住宅は、建物の外形の出入りが多かったり、1階に比べ2階が跳ね出しているなど、構造上も費用の掛かりやすい形状をしていることの多いのが特徴です。建物の外形を出来る限り整え、四角、もしくはL型に納まるように間取りをつくることで、コストアップを防ぐことができます。

2.1階と2階の面積をそろえる

昔の日本建築と言えば、1階がどっしりと大きく、2階がやや小さいという形状をしていました。しかし高度経済成長期に、各地で分譲地開発が行われ、1区画あたりの敷地面積が小ぶりになったり、ハウスメーカーが台頭してくると、住宅の大量生産が行われるようになり、従来の日本建築で見られた形状の住宅が減り、いわゆる総二階建ての住宅が増えました。

1階と2階の面積をそろえると、基礎コンクリートと屋根の面積が最小限で済み、コストダウンにつながります。また合わせて建物の形状が整っていると構造材も安く済み、構造上も安定することにより建物の強度も高まります。もう一度、間取りを見直し、1階と2階の面積をそろえられないか検討してみましょう。

3.家をコンパクトにまとめる

住宅の面積をコンパクトにまとめることは、建築費を抑える上で、一番大きな効果があります。建築材料が少なくて済むことはもちろん、工期も短くて済みます。また職人さんたちの作業量も少なくなり、全ての面でコストが下がります。

しかし、忘れてはならないことがあります。実は住宅の場合、ある一定の面積以上は、いくらコンパクトにまとめても、削減効果が薄くなることです。なぜなら、分かりやすい例であれば、キッチンやお風呂などの設備は、どんなにコンパクトな住宅でも、大きな住宅だったとしても、最低1セットは必要になります。 そのためコンパクトにすればするほど、総額で見た時の効果は薄れてしまいます。

私たちの経験では、単世帯のご家族が住む住宅で、それぞれのご家族に必要な部屋数、装備、動線などを考えると、延床面積で28坪~30坪くらい、施工面積(玄関タイルやバルコニーを含む面積)で、32坪~35坪くらいが限界ではないかと考えています。

4.優先順位を決める

「希望は紙に書きだすこと」と言われますが、私は単に希望を書き出すだけでは不十分だと思います。優先順位をつけなければ、書き出した希望は全て横一線になり、全てを満たしたくなってしまいます。確かに一生に一度の家づくりだと考えると、どうしても叶えたいことだらけになってしまいます。その気持ちはよく分かりますが、全てを叶えようとすれば、どれだけ予算があっても足りません。

そこで、叶えたいことに優先順位を付けるための方法として、まず次の4つのカテゴリーに分類します。
①構造に関すること。
②耐久性に関すること。
③設備に関すること。
④意匠(仕上げ)に関すること。

①、②、③、④の順に、家が完成するとリフォームしにくい、あるいは大きな費用のかかる順になっています。また同時に、新築をする際にも初期コストが掛かる傾向が強い順になっていると考えてください。そして、予算とご家族の希望に合わせて、何から順に叶えていくのか、代替え案などのアイデアはないのかを話し合ってみてください。こういったことを、ご家族で話し合うことで、意外と優先順位が高くないことに気付く項目も出てくるはずです。

これを機会に、叶えたいことと予算のバランスについて考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか?
何かご不明な点がありましたら、遠慮なくご相談ください。