よくあるご質問

性能の良い家を建てるためには、何を基準に住宅会社を選ぶべきですか?

カテゴリー:省エネや性能について

ご相談内容

今、住んでいる家の建替えを検討しています。現在の家は築35年で、冬はとても寒く、夏はエアコンが効かないくらい暑くなります。私たちは寒いのが苦手で、長く住むことや老後のことも考えると、次に建てる家は絶対に暖かい家に住みたいと思っています。
いろいろとネットで調べてから、先日、住宅展示場に初めて行き3社のハウスメーカーさんに話しを聞きました。3社とも断熱性と耐震性に力を入れていると話されていましたが、素人の私たちには、どの住宅会社が良いのか見分けがつきませんし、予算にも限りがありますので、性能が高ければ良いというわけにはいきません。予算を守りつつ、住宅性能を重視した家づくりをする時の基準を教えてください。

フィックスホームからの回答

これからの住宅で必須の「3大要素」とは?

ヨーロッパの国々に比べ、私たちの住む日本の住宅性能は、著しく劣っていると言われています。経済的には先進国と言われる日本の住宅性能が、なぜ他国に比べて遅れているのか? それは国や住宅会社が質より量を優先してきたことに原因があります。つまり良好な住環境の整備よりも、低価格で大量の家をつくることを優先したことにより、日本の住宅では、本来、最も大切にしなければならない「住宅の三大要素」である、「断熱性」、「気密性」、「耐震性」の問題が置き去りにされ続けてきたのです。

今回は、「予算を守りつつ、住宅性能を重視した家づくりをするための基準」について、詳しく解説していきます。

家の比較イメージ

1.断熱性

今回のご相談者の望む「暖かい家」を実現するために、基本となるのが「断熱性」です。断熱性は、どの断熱材を使用するか?という表面的なことで判断してはいけません。大切なことは、「夏涼しく、冬暖かい」や「家中どこでも快適に過ごせる」などといった、ぼんやりとした言葉やイメージで判断するのではなく、はっきりとした数値で判断していくことです。

一番簡単な判断基準は、国の定める断熱性を表す、外皮平均熱還流率「UA値」で比べることです。UA値は、数字の小さい方が断熱性の高い住宅ということになり、最近ではUA値を公表している住宅会社も増えています。ホームページで確認した上で、住宅展示場や現場見学会でも念のため担当者に再確認するのが良いでしょう。

具体的には、その会社の担当者に「あなたの会社が建てた家のUA値を教えてください」とご質問ください。この際、数値はいくつであっても、その会社の実力ですから、良し悪しもあると思います。しかし即答できなかったり、ごまかしたりする会社は、まず候補から外すことです。間違ってもこのような会社を選ぶべきではありません。今の時代、この程度の質問に即答できない会社、担当者では、性能の良い家を建てることはできません。

フィックスホームでは、外皮平均熱還流率UA値=0.45W/㎡・K以下(間取りや仕様による)を基準にしています。

2.気密性

いくら断熱性能を高めようとも、すき間だらけの家では、暖房も冷房も効きが悪くなるのは当然です。風が強いときなどには、隙間から空気が出入りすることで、花粉や砂ぼこりも侵入します。さらに換気システムが効果的に効かなくなり、家にたまる湿気や有害物質を上手に換気することができず、ダニやカビが発生しやすい場所ができやすくなります。また除湿や加湿の効率が落ち、遮音性も低くなり、外の音が家の中で聞こえやすくなります。

こで断熱性と合わせて、必ずセットで考えなければならないのが、相当隙間面積C値です。C値は、家全体の隙間面積(c㎡)を延床面積(㎡)で割ったものになり、数値が小さいほど隙間が少ない、気密性が高いことを表します。例えば、延床面積が30坪(約100㎡)の建物でC値が0.5c㎡/㎡の場合、家全体で50c㎡の隙間があるということになります。簡単に考えるなら、家全体で、概ね名刺1枚分のサイズの隙間があるとお伝えすれば、イメージしやすいでしょうか。

換気システムが正常に換気を行うことができ、冷暖房効率の良い、性能の高い家を建てたいのであれば、0.5c㎡/㎡以下を基準に住宅会社を選ぶと良いでしょう。

ところでC値は、先ほどのUA値と違い、机の上で計算をして求めるものではなく、工事現場で気密検査を行うことで、はっきりと数字で見ることができます。大手ハウスメーカーでは、そもそも公表していない会社も多く、カタログやホームページに掲載している会社は2~3社程度しかありません。公表できないということは、気密検査をしても、期待するほどの数値は出ない、もしくはバラつきあるということの裏返しであると考えた方が良いでしょう。

具体的には、その会社の担当者に「あなたの会社が建てた家のC値を教えてください」とご質問ください。合わせて、「気密検査は、1棟ずつ行っていますか?」と聞いてみてください。そもそもC値を公表していない会社は、曖昧な回答になるはずですし、気密検査は、している、していないの2択ですから、はっきりと分かります。

そしてこの時点で、C値が答えられない、もしくは1棟ずつ気密検査をしていない住宅会社は、候補から外していきます。なぜなら気密性を高めるためには、工事材料を変えるだけでなく、職人さんの技術も大きく影響しますので、不慣れな会社には安心して任せられないからです。

フィックスホームのエコ住宅は、全棟気密検査を行い、相当隙間面積C値=0.5㎠/㎡以下(間取りや仕様による)を基準にしています。また現場での実測C値は、概ね0.2~0.3㎠/㎡という実績があります。

3.耐震性

これからの住宅で必須の「3大要素」の最後は「耐震性」です。国が定めている耐震性は、今のところ3段階(耐震等級1~3)。4段階目(耐震等級4)が新設されるという話もチラホラ聞こえていますが、いずれにしても現時点で選ぶなら、「耐震等級3」は当然です。

実は日本の建築基準法では、「審査の簡略化」を目的に、木造2階建ての建物は建築確認申請時に、構造計算書を添付する必要がない「4号特例」という規定があります。つまり、建築士が建築基準法で定められた計算方法と仕様規定を守って設計するだろうという前提で、構造計算書がないので行政としてチェックはしないという特例です。日本の2階建ての木造住宅のほとんどが、この4号特例に該当するため、一般的な工務店や不動産業者では、わざわざ費用を掛けてまで構造計算をする会社は少ないと言えます。

そこで具体的には「あなたの会社の住宅の耐震等級は?」と合わせて「全棟、構造計算をしていますか?」とご質問ください。これに対し、検討している住宅会社が「耐震等級は2相当です」とか、「構造計算は時間と費用が掛かりますので・・・」などと、お客さまに諦めてもらおうとするなら、即刻候補から外さなければいけません。

家は快適性ももちろん大事ですが、あなたと家族の命を守るという最大の役割があります。ここを置き去りにして安心な家づくりは出来ません。ぜひ「断熱性」や「気密性」と合わせて、「耐震性」の高い家づくりを進めてください。

フィックスホームのエコ住宅は、全棟構造計算書付きの耐震等級3の住宅です。

4.予算

これからの住宅で必須の「3大要素」である「断熱性」、「気密性」、「耐震性」を兼ね備え、さらにそれぞれのご家族にあった予算内で家づくりを進めていける住宅会社を選ぶ。これが令和時代の家づくりのスタンダードになります。

予算の決め方は、将来を見据えたライフプランからの逆算で決めていきます。フィックスホームでは、ライフプラン作成も無料でお手伝いをしています。

これを機会に、予算を守りつつ、性能を重視した家づくりについて、ご家族で考えてみてはいかがでしょうか?
何かご不明な点がありましたら、遠慮なくご相談ください。