太陽に素直な設計

松尾和也氏に学ぶ太陽に素直な設計

太陽に素直な設計とは?

季節ごとの太陽の軌道

「太陽に素直な設計」とは、太陽の季節ごとの軌道と、太陽から届く光(=明るさと熱)の科学時な性質を理解して、太陽の恩恵を最大限に活かす家づくりをすることです。
誰もが知っているように、太陽は東から昇り西に沈みます。また、その軌道は春夏秋冬と変化していきます。冬は高度が低く、夏に向かって徐々に高度を上げ、夏至を過ぎるとまた高度が下がっていきます。そして、この変化は毎年規則正しくくり返されます。
この「あたりまえのこと」を自然に受け入れる姿勢が、太陽に素直な設計にはいちばん大切といえます。

ところで、松尾和也氏とは?

松尾和也氏

松尾和也氏は、兵庫県明石市にある株式会社松尾設計室の代表取締役を務めるかたわら、住宅専門紙への連載や「断熱」「省エネ」に関する講演も行なっており、受講した設計事務所、工務店等は延べ6000社を超える。2009年パッシブハウスジャパンを立ち上げ、理事としてドイツの最先端省エネ建築の考え方を日本の気候条件に合わせる形で普及促進活動を行なっています。
フィックスホームも、松尾和也氏から「健康で快適な省エネ建築を経済的に実現する」設計手法の指導を受けることにより、高性能住宅づくりにその技術を活かしています。

原則1:敷地の中で陽のあたる場所を探す

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「敷地のどこに家を建てるか?」を考えるとき、ついつい間取りを優先しがちです。しかし、太陽の光の恩恵を最大限に享受する家づくりを考えるならば、「等時間投影図」を書くことで自ずと配置計画が決まってきます。
等時間投影図とは、太陽の軌道と周りの建物との関係から、敷地にどのように陽があたるかをシミュレーションしたものです。
敷地の中で、最も陽あたりの良い場所を見つけ出し、そこを中心に間取りや建物形状を考えていくのが、太陽に素直な設計の基本です。

原則2:自ら影を作らないカタチを考える

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上のような2つの住宅があるとします。UA値、C値、南窓の面積も全く同じですが、実際に暖房負荷計算をやると右の住宅のほうが7%も暖房負荷が小さくなります。理由は南面の形状です。左側の建物は南側凸部が午前中西側の部屋の南窓に影をかけてしまうからです。
一見するとなんてことのない形状の違いですが、暮らし心地は大きく変わってくるのです。

原則3:熱の逃げないカタチを考える

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内部の間取りから考えたときによく起こるのが「外形が必要以上に凸凹になる」ということです。これは、原則3で述べたような、自らに影を作ってしまうデメリットとともに、建物の断熱性能が低下するという弱点もあります。
上の3つの形状はどれも同じ延床面積「8」の建物ですが、表面積はそれぞれ違います。そして、この表面積の違いは、建物から逃げていく熱の量に比例します。
熱の逃げなさを考えるならば、立方体に近い形状が有利となります。

原則4:窓からの熱の出入りをコントロールする

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熱の出入りを考えて、同じ窓ガラスでも、南面は断熱Low-Eガラス、東西北面は遮熱Low-Eガラスを基本とします。北面を遮熱Low-Eにするのは、夏の3時以降7時くらいまで西日が当たり続けるからです。
また、南窓は極力大きくするのが原則です。ただし、夏の熱すぎる日射を遮るため、窓の高さ10に対して出幅3の庇をつける、もしくはシェードやすだれ、外付けブラインドなど、外付日射遮蔽措置を必ずセットにすることも肝心です。

松尾設計室にプラン提案をしてもらえる

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フィックスホームでは、自社でのプラン作成に加えて、松尾設計室一級建築士設計事務所がプランを作成するサービスを提供しています。
我が国の省エネ住宅設計のリーダー的存在であり、YouTubeのセミナーなどで多くの支持を集めている松尾設計室がお客さまのご要望を直接ヒアリングし、プラン作成をするサービスをご検討されませんか?