いい家づくりコラム

上手な夏のエアコン術。我慢せず節電できる冷房の使い方

2019年7月26日

「電気代が高くなる」「体が冷えて体調を崩す」そんな理由から悪者にされがちなエアコン。
しかし、連日35度を超えるような日本の酷暑を、無事にのりきるためにはエアコンは必要不可欠です。

実は、高いイメージのある夏の冷房費は電気代全体でみるとほんのわずか。
エアコンを我慢したからといって電気代が極端に減ることはありません。そのうえ、冷房の効いていない暑い家では熱中症の危険もあります。

冷房を上手に使えば、省エネしながら快適にすごせて、体調不良の心配もない家になります。
このコラムでは、あなたが抱えている冷房への誤解を解き、遠慮なくエアコンを使えるようになるためのノウハウをお伝えしていきます。


夏の冷房費は全体のたった2%

夏の電気代の負担になっているイメージのあるエアコンですが、1年を通して使い続ける給湯や照明・家電類に対して、冷房は一定期間しか使用しないため、想像するよりも電気代はかかっていません。
エアコンイメージ

実際に都心の住居での1年間の消費電力をみてみると、給湯や照明・家電が約78%、暖房が約20%。残りのたった2%が冷房の消費電力です。都心だけではなく、暑いイメージのある九州でも冷房の消費電力は5%以下。「抱いていたイメージと違う!」と驚かれた方も多いのではないでしょうか。

冷房の消費電力がわずかであることから、使わないで夏を過ごしたとしても、年間の電気代が大幅に下がることはありません。がんばりの割には見合わない気がしますね。


知れば得するエアコンの省エネ術4つ

消費電力の割合が小さいとはいえ、やはり夏場の冷房費が気になるもの。ですが、冷房を使わなければ熱中症の危険性は上がります。電気代を抑えたいなら、エアコンの使い方を見直してください。少し工夫することで、冷房を控えることなく消費電力を抑えられます。

風量を適正に

エアコンの風量設定はどうなっていますか?
省エネのためには「自動運転」が一番です。強風の状態だと、お部屋が冷えた後もモーターが回りっぱなしになり、無駄な電力を消費します。弱風では部屋が冷えるのが遅くなり、効率が良いとは言えません。

自動運転にしておけば、暑い時は強い風を、室温が下がってからは弱い風を送ってくれます。何もしなくても快適な温度を維持してくれるので、無駄な電力を使わなくてすむわけです。

除湿を上手に使う

日本の夏の暑さは温度だけでなく湿度も大きな原因です。いくら冷房の設定温度を下げても、快適にならない場合は除湿運転に変更しましょう。

1つ注意したいのは、うまく使わないと電気代が増えてしまう可能性もあるということ。エアコンの除湿機能はメーカーや製品によって「再熱除湿」と「冷房除湿」の2種類に分類されます。あなたのエアコンがどちらのタイプなのかは取扱説明書を見るか、メーカーに問い合わせましょう。

この2つのうち「再熱除湿」の場合、電気代は冷房機能よりも高くなります。再熱除湿は湿度だけを取り除く機能なので、湿気を除くときにいったん下がった室温を元に戻します。その分電力を使うので電気代が上がります。

一方で、「冷房除湿」は冷房機能よりも電気代を抑えられます。温度と湿度を同時に下げてくれるため、日本の夏には非常に効果的。室温を下げる効果は「強」運転でも-3度ほどですが、そもそも湿度が原因の蒸し暑さは、設定温度を低くするよりも除湿運転に変更した方が、体感温度が下がり、効率よく快適な状態になります。

フィルターを掃除する

フィルターにゴミが溜まっていると、送風効率が悪くなり、設定温度を下げても部屋の温度はなかなか下がりません。1ヵ月に1回を目安に掃除をしておけば、いつでも最大効果を発揮できます。

室外機の周りを整理する

見落としがちなのが、室外機です。吹き出し口の周りに邪魔なものが置いてあったり、直射日光で室外機周りの温度が高くなっていたりすると、室内の熱を外に逃がしにくくなり、エアコンの効率が下がってしまいます。
室外機の周りを掃除して、市販の日よけカバーで日陰をつくってあげましょう。環境を整えるだけで、エアコンの効率が上がり電気代も抑えられます。


正しくエアコンを使えば、夏は健康に過ごせる

冷房が原因で起こる病気が2つ考えられます。
1つめが熱中症。こちらは冷房を使わないことで発症するリスクが増えてしまいます。対策としては、冷房を適度に使用し水分補給をしっかりと行うことです。
2つめが冷房病。冷房をつけていることで起こる、風邪や冷え性などをひとまとめにして冷房病と呼んでいます。熱中症にならないために冷房をつけているのに、冷房病になっては本末転倒です。

実は、冷房病はエアコンの使い方を少し見直すことで予防ができます。

まずは設定温度を確認しましょう。25度では低すぎます。27~28度ほどでも快適さは感じられますし、これなら体が冷えすぎるということもありません。それでも暑いと感じる場合は、温度よりも湿度に原因があることが多いので、除湿運転に変更してみましょう。

エアコンの風向きもポイントです。涼しいからといって、自分に直接風を当てていては体が冷えすぎます。風向きを上方向にして、部屋の上部へ冷気を送りましょう。冷たい空気は上から下に降りてくるため、温度のムラがなく快適なお部屋になります。

熱中症も冷房病も、エアコンを正しく使うことで防げるもの。エアコンを上手に使って、快適で健康な夏を送ってください。


冷房効率のよい家、悪い家

健康かつ省エネ、なにより効果的に冷房を使うためには、家の断熱性能も非常に大切です。
設計士の松尾和也先生によると、「エアコンを最大出力でかけないと部屋が涼しくならない」、「自分に冷房の風を向けないと暑いまま」、それは住宅の断熱性・気密性が低いせいなのだそう。

低断熱住宅はいとも簡単に外の熱が家のなかに入ってくるせいで、室温が上がりやすくなります。
冷房で下げる気温差が大きくなり、快適な温度になるまで時間がかかってしまいます。たとえば室温35度の家と室温30℃の家だと、どちらの方が早く温度を下げられ、冷房の使用が少なくなるかは簡単に分かりますね。また、家の中の熱も逃げていきやすいので温度を維持するのにもコストがかかります。

室温の上昇を防ぐためには「窓」を断熱化することをおすすめします。家の中に熱を入れてしまっている窓を断熱化すれば、室温の上昇をグッと抑えられます。
冷房効率を考えるにあたって大切なことは、室温を下げることよりも、いかにして外からの熱の侵入を防ぎ、室温を上げにくくするかです。

窓の断熱性能を見直したら、次はエアコンの設置場所を確認してください。エアコンの風はまっすぐにしか進まないため、風の通り道に照明や家具が置いてあると風を阻害してしまいます。理想の設置場所は窓の近くで、周りに余計なものがない場所。窓の近くにエアコンを設置しておくと、熱が家に入った瞬間に冷やされるので、室温が上がりません。

松尾先生が設計された住居に、階段下のエアコンと屋根裏のエアコンの2台だけで一年中が快適に過ごせているご家庭があります。冬場は階段下のエアコンを、夏場は小屋裏のエアコンを季節に分けて動かしておけば、あとは暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へと、勝手に流れていきます。
このように、冷気と暖気の動き方を考えて、エアコンを設置することも方法の1つです。

家を建てたあとに、高断熱化へのリフォームやエアコンの設置場所を変更すると、工事費などのお金や余計な時間がかかります。それならば、家づくりのタイミングで空調効率のいい間取りにして断熱性能を上げておくほうが良いでしょう。


快適な環境づくりに欠かせないエアコンの存在

日本の気候において、自然風だけで快適に過ごせる日は年間で40日程度しかありません。冬はヨーロッパ並み、夏は熱帯並みの蒸し暑さが交互にやってくるという過酷な環境です。

四季の温度差が激しい日本において、エアコンのない家、使わない生活はありえません。家づくりのときに通風ばかりを気にしている方が多くいらっしゃいますが、それは間違い。快適な家づくりのためには、エアコンの使用を前提とし、空調効率をよくする設計や高断熱化が必要不可欠です。
手ごわい夏の暑さに対抗するために、エアコンを上手に活用していきましょう。


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