いい家づくりコラム

家の間取りイメージ

間取りの考え方の正しい手順。まずおさえるべき基本は3つ

2019.3.25

家づくりの行程のなかでも、一番心がウキウキする部分、それが家の間取りを考えること。
でも設計に関することって、素人には難しい・・・そう思って、敬遠していませんか?

せっかく注文住宅を建てるのですから、設計士や住宅会社に完全にお任せしてしまうより、ぜひ間取り設計についても積極的に参加していきましょう。

自分たちで考えを整理し、プロに意見や要望を伝えることで、より納得のいく家づくりにつながります。
設計の知識がなくても迷いなく考えられるよう、間取り設計に関する基礎知識や、基本の流れをお伝えしていきます。


間取りを考える前にやっておくべき2つのこと

「あえて子供部屋はつくらずに、いつも家族の気配を感じる家にしたい!」
「買い物から帰ったらすぐに冷蔵庫に収納できて、洗濯したらサッと干せる、機能的な間取りには妥協したくない!」etc・・・
注文住宅なら絶対にこだわりたいのが「間取り」です。
我が家に最適な間取りをスムーズに詰めていくには、取りかかる前に2つの準備が必要です。
それは予算とスケジュールが明確になっていること。
予算というのは具体的には、「いくらなら安全にローンを払っていけるか」。ここがグラグラしていると、間取りの方針もフラフラとして定まりません。
また、スケジュールというのは「いつまでに入居したいか」ということ。これもはっきりと決めていないと、かえって決断ができず延々と悩んでしまうことに。

まずは間取り作りの前に、この2つをきっちりご実家やご夫婦で話し合い、意見を統一しておいてください。

>リンク:「絶対安全なマイホーム資金計画を作るたった1つのコツとは」


間取りの考え方の基本1:方位と縮尺のルール

家づくりでは、一つの図面をさまざまな立場の人が見ます。役所の人、材料屋さん、大工さんなど、立場も目的も違う人たちが皆同じ目線で見られるよう、図面にはルールがあります。
それが方位と縮尺です。

方位については地図と同じで、上が北になります。これは大丈夫ですね。
縮尺については通常、初期段階では1/100スケールがよく使われています。簡単にいうと、1メートルのものを1センチの大きさで図面に書き表していくことになります。

ここで、「尺モジュール」と「メーターモジュール」について少し説明しておきましょう。
メーターモジュールでは1mを設計の基本単位とし、尺モジュールは0.91mを基本単位としています。
日本では畳の大きさ(1畳=182mm×910mm)を基準にしてきた習慣があるため、今も尺モジュールを採用している建築会社が多くあります。

ちなみにフィックスホームでも尺モジュールを使用しています。
メーターモジュールの方が廊下や階段などは広くなりますが、その分居住スペースが圧迫されるといったデメリットが。尺モジュールの方が自由度が高く、和室にも対応しやすいのでこちらを採用しています。

建築業界でよく使われる方眼紙で、四角の一辺の大きさが9.1mmになっている「尺モジュール方眼紙」というものがあります。2マスで一畳の大きさ、4マスで一坪の大きさになるためとても便利。自分で間取りを考えるときにも役立つので、ぜひ活用してみてください。


間取りの考え方の基本2:家の外の配置から考える

たとえば「間口13m」「奥行き14m」の土地に家を建てるのなら、まず尺モジュール方眼紙に13センチ×14センチの長方形を書き込みます。もちろん北を上にすることを忘れずに。

ゾーニングはまず、家、庭、車庫などを含めた全体の配置から行います。最初に考えるのは車の置き場所。車が出し入れしやすい形状・高さなどを検討して、配置を考えます。乗り降りや洗車のことなどを考えると、3m×6mほどの広さを確保したいところです。
さらに、ゲスト用の駐車スペースが必要かどうか、子供達の自転車の置き場をどうするかなどを考えます。

そのほかにも、庭が欲しい、家庭菜園をやりたい、物置を置きたいといった要望があれば、そのためのスペースを配置していきます。


間取りの考え方の基本3:まずは大まかにゾーニング

ここまでできれば、次はいよいよ家の中をゾーニングしていきましょう。
ここでは一般に多い家の広さとして、2階建・35坪の家を例に考えてみます。
1坪=4マスでしたから、35坪では140マスになります。これを2フロアに分けると70マス。
では一番シンプルに、尺モジュール方眼紙に10マス×7マスの長方形を書き込んでみてください。

慣れていない方は大雑把に丸を書き込んで、「このあたりに玄関」「このあたりがリビング」「ここがキッチン」という具合に、だいたいの位置を決めていきます。
慣れている方は、具体的に部屋を書き込んでいってもOKです。

部屋の広さは「帖」で考えるとわかりやすくなります。2マスで1帖でしたから、6帖の部屋なら12マス、4.5帖の部屋なら9マス。書き込んでいくと、最初の70マスにおさまりきらなかったり、うまく配置できなかったりするのではないでしょうか?

設計士や住宅会社と打ち合わせをするときには、ご自分でゾーニングしたものを見せながら話をすると、伝わりやすいかもしれません。


快適に暮らす間取りのポイントは

ここまで、家の間取りの考え方について、具体的な流れをご説明してきました。
「何から手をつけたらいいかわからない」という人も、「こう考えればいいのか!」というとっかかりになったのではないでしょうか。

でも実際に部屋の細かい配置を考えようとすると、「暮らしやすい間取りってどんな間取り?」「部屋のゾーニングでは何に気をつけたらいいの?」という疑問も新たに湧いてくることと思います。

間取り設計のポイントについて少しだけ触れておくと、大切なのは以下の2つ。
・3つの動線(人、太陽、風の動き)を意識する
・自分たちの暮らし方をはっきりさせる

これはとても重要なことなので、次回のコラムで深く掘り下げてお話ししていきましょう。