いい家づくりコラム

気密測定は良い家を建てるためのマスト検査と心得るべし

2018年5月18日

気密性が家の性能を左右するということは、前回のコラム「家の気密性は大事!高気密がもたらす絶対的メリットとは」でお話しました。
その気密性を実際に測るのが「気密測定」です。理論上の計算値ではなく、現場で具体的な数値で出るため、ごまかしが効きません。

住宅業者によっては気密測定に前向きでない場合もありますが、住み心地の良い家を建てようと思うなら、必ずやっておきたい検査。その詳しい理由と、検査を行う際のポイントをお伝えします。


気密測定はどのように行う?{

気密測定では、大きな扇風機のような送風機を使い、建物内の空気を外に追い出していきます。すると建物の中の気圧は低く、逆に外の気圧は高くなります。この差を計測することで、建物にどのくらいの隙間があるかを計測することができます。
気密測定

検査で得られる実測値が「隙間相当面積:C(シー)値」。数値が小さいほど、気密性が高いことを示します。

検査のタイミングは、建築途中に1回、工事完了後に1回の、計2回行うのが理想です。1回目を行うのは断熱・気密工事、エアコン・換気扇工事が終わったあたり。ここでC値を一度把握し、隙間箇所を発見することで、気密性の向上に活かすことができます。
2回目は仕上げ工事完了後に、確認の意味で行います。2回行うことで、設計上の気密性が実際に達成されているのかどうかを確認することができます。

測定の際には必ず立ち会い、実際に自分の目で数字を確かめるようにしましょう。後から報告を受けるだけでは改ざんの余地ができてしまうからです。

どの程度のC値であれば断熱性を活かすことができるのかというと、残念ながら日本にはC値の基準値がありません。過去にはあったのですが、現在では撤廃されてしまいました。その理由については下記で詳しく述べたいと思います。

海外を見渡してみると、カナダの省エネ住宅の基準であるR-2000住宅では0.9、スウェーデン基準では0.6~0.7c㎡/㎡、ドイツパッシブハウスの基準では0.2以下となっていますから、日本との気候の差を考えても、1.0未満を確保したいところでしょう。


気密測定を行うメリット

気密測定を行う最も大きなメリットは、机上の計算値ではなく、実測値が分かるという点にあります。
設計上は断熱材の断熱性能などから、いくらでも断熱性を計算することができます。しかし実際に家を建てる際には、人の手で地面を整え、その上に数多くの部材を組み合わせていくもの。そこには計算では管理できない、わずかな狂いが必ず生じます。
そうした狂いが積み重なり、隙間の多い家になってしまえば、いくら高性能な断熱材を大量に使ったとしても、隙間風が吹き込む家、内部結露しやすい家ができあがってしまうのです。

気密測定を行うことによって、大工さんや職人さんたちにも緊張感を持って仕事をしてもらえます。
また工事の途中で一度測定を行うことで、隙間のあるところからわずかに風が入ってくるため、どこに隙間があるのかを特定することもできます。その部分を改善することによって、確実に家の気密性能を高めることができるのです。


気密測定が義務化されない理由とは?

上でも少し述べたように、日本では気密測定は義務化されていません。国土交通省による住宅の省エネ基準にも、C値の基準はありません。
その理由として考えられるのは、役所の都合や業界への忖度(そんたく)。

C値は現場に計器を持ち込み、実際に測らないと分からないため、役所の立場からすると不確定要素が多く管理・規制がしにくい数値です。
また、工場で部材を生産して現場で組み立てるような大手ハウスメーカーでは、現場の職人の腕次第で気密性が大きく左右されるため、仕様として保証できない数値になってしまいます。
こうした理由から、管理しづらいC値は基準からすっぽり削除されてしまったと考えられます。

逆に言えば、自主的に気密測定をやっている会社は、技術に自信があり信頼できるということができます。検討している住宅会社が気密測定を行っていないようであれば、中間で1回、完成で1回の合計2回、気密測定を行ってもらうよう要望してみましょう。

要望を受け付けないようなハウスメーカーや工務店は、技術力に不安が残るため、家づくりのパートナー候補から外すことをおすすめします。どうしてもという場合は、数万円の費用で検査できるので、第三者に気密測定を依頼するのも一案です。


住宅を建てるなら、必ず気密測定もセットで行おう

気密測定に前向きでないのは、建築コストを抑えたい建売住宅、ローコストデザイン住宅などが多いようです。さらにプレハブ系の住宅メーカーでも、腕の良い職人を育てるためには時間もコストもかかるため、気密測定は敬遠されがちです。

気密測定で出る数値に言い訳は効きません。だからこそ、敬遠する業者も多いというのが建築業界の実情。
しかし建てる人にとってみれば家は一生の買い物、妥協は禁物です。メーカーの言い分を鵜呑みにせず、自らの目で気密性能を確かめることで、心から納得のいく買い物になることでしょう。


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