いい家づくりコラム

日本の窓は世界の非常識!?省エネ住宅は窓こそこだわりを

2018年6月5日

家を建てるにしても、リフォームするにしても、「窓」の断熱性能にこだわることはとても大切です。なぜなら、「窓は熱の出入り口」だから。
冬、家の中の熱の半分近くは窓などの開口部を通じて失われ、夏、外の暑さは約7割が窓などの開口部から入ってくるのです。

家の中を快適な温度に保つための要ともいえる窓。ところが日本では、その品質を保つための基準がとても遅れていると言われます。その実情と、あまり知られていない理由についてお伝えしていきます。


なぜ日本の窓にはアルミが使われているのか

実はアルミサッシが普通に流通し、今も新築住宅に使われているのは日本だけ。欧米では今や物置にも使われなくなったくらい、人が居住する空間に使うには適していないとされています。その理由は、アルミの熱伝導率の抜きん出た高さ。
窓イメージ

アルミニウムの熱伝導率は200W/mK、これに対して樹脂は0.2W/mK、木は0.16W/mKと、アルミの1000倍以上も熱を通しにくくなっています。逆にいえば、アルミの熱伝導率の高さが際立っているということもできます。

そんなアルミを窓枠に使用すれば、夏の暑さや冬の寒さが家のなかに入り込みやすく、結露もしやすい不快な家になるのは自明の理。しかしアルミサッシにそのような欠点があることは、私たち一般の日本人にはあまり知られていません。

それは、日本の伝統的家屋が夏を旨とし、断熱よりも風通しを重視して作られてきた歴史風土もありますが、なによりメーカーに対してマスコミや行政が忖度したことが大きいと考えられます。
実はアルミサッシが普及した理由は、アルミの加工のしやすさや工場のラインの都合。量産性を優先させた結果、日本では熱い、寒い、結露するアルミのサッシが一般に普及することとなったのです。


日本の四つ星は世界の最低基準以下?

世界では、窓枠といえば熱を伝えにくい木質や樹脂を使うのが当たり前。普通に考えれば、熱伝導率の高いアルミを窓枠に使うなどあり得ない話なのですが、上記のような理由から日本ではアルミサッシがいまだに幅を効かせています。

数字で見ればさらにそのことが顕著に。
窓の性能は「熱還流率=U値(W/m2・K)」という、熱の出入りを数値化した指標で表されます。少ないほど熱の出入りが少なく高性能で、世界各国では「これより低性能な窓はダメですよ」という最低基準が設けられています。
ドイツでは1.3以下、イギリスでは1.8以下、フランスでは2.1以下といった数字が並び、これよりもU値が高い窓は販売ができません。
ところが驚くべきことに日本には最低基準自体が存在せず、どんなにU値が高い窓でも売って良いということになっているのです。

さらに日本では、U値が2.33以下であれば、省エネ最高性能を表す4つ星を表示することができます。
ところが気候の似たお隣韓国を見てみても、最低基準は2.7、推奨基準は1.6。日本の4つ星は、韓国の最低基準より少し良い程度でしかないのです。

このように、欧米だけでなくアジアで比較しても、日本の行政の基準は非常に甘いというのが実情。これからマイホームの新築やリフォームを考えるなら、まずこの残念な現実を知っておく必要があります。


家と健康の間には深い関係がある

近年、家の性能と住まう人の健康には、深い関係があることが分かってきました。たとえば、家のなかの寒暖差が原因で起こる「ヒートショック」。

リビングや浴室は暖房で温かいのに、廊下や脱衣所は寒い・・・そのような環境では、血圧が乱高下して血管に負担をかけ、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすことがあります。実際のところ、他国に比べて日本はヒートショックで亡くなられる方がとても多いという現実も。
その他にも結露が原因でカビが発生し、アレルギーを引き起こしたり、寒さが原因で風邪をひきやすかったりと、さまざまな疾患が考えられます。

ふくれあがる一方の医療費削減のためにも、家の性能を引き上げることは重要な命題。そんな機運が高まり、日本でもやっと2014年頃から大手メーカーで高性能窓の開発が始まりました。


2020年を境に、日本の窓が変わる?

国のエネルギー政策についての方針を示した「エネルギー基本計画」によると、2020年からは省エネ基準への適合が義務化されます。また、2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までには新築住宅の平均で、ZEH(ゼッチ)(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の実現を目指すことが明記されています。

ZEHとは、高断熱でエネルギーを極力必要としない家に、エネルギーを作るシステムを導入し、快適に暮らしつつ年間のエネルギー消費の収支がゼロ以下となることを目指した住宅のこと。
家計のことだけでなく、家族の健康や、地球温暖化対策といった大きな視点でもメリットの大きい、これからの住宅の目指す形です。

冒頭でもお伝えしたように、窓は熱の出入り口。家の断熱性能を高めるには、天井や壁にこだわるより、まず窓の断熱性能を高めることが最も効率が高いということができます。
2020年を境に、日本でも性能の低いアルミサッシは姿を消していくのではないでしょうか。


快適な家に住むことは基本的人権

欧米では、暖かい家に住むことは基本的人権のひとつと考えられ、その権利を守るために厳しい基準が定められてきました。
日本でも、近年やっと意識が高まってきたなかで、窓の性能にも目が向けられつつあります。

「窓なんて、どれも一緒でしょ?」と考えている方、そんなことはありません!窓こそ決して軽んじず、「家族の健康を守る門番」と心得ましょう。
時代遅れの古い基準にとらわれず、世界基準の目でぜひ窓を選んでいただきたいと思います。


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