収納を上手にプランニングしよう!新居の間取りの考え方
2020.12.15
新居をつくるときには、いつもすっきりと片付いた、リラックスできる空間にしたいもの。でも、収納が少なかったりうまく活用できていなかったりすると、モノがリビングやキッチンにあふれてしまいます。逆に、使いやすい場所に必要十分な収納があると、片付け上手でなくても整理整頓をラクにできてしまったり。ただ収納を作るだけではなく、各収納の役割や間取りまで考えておくことが整理整頓の極意なのかもしれませんね。
今回は、収納プランの考え方や場所ごとの収納アイデアをご紹介します。ポイントをおさえて、ラクして上手に片付けられる収納を間取りに取り入れた住まいづくりの参考にしてください。
スムーズな「取り出す」「しまう」が、収納のポイント
今のお住まいにモノがあふれている方ほど、「新居では収納をたくさん作りたい」と考えてしまいがち。でも、収納スペースが大きければ大きいほど片付くというわけではありません。大切なのは、使いやすい収納を作ること。使いやすい収納とは、使いたい時に使いたいモノをサッと取り出せて、使い終わったらすぐにしまえること。
住まいのどの場所に、どんな収納を作れば使いやすくなるでしょうか。収納を間取りに組み込むときは、使うシーンとしまうシーンをイメージしてプランニングしていきます。
モノの「定位置をつくる」ことを考えよう
モノの置き場所が決まっていないと、使うたびに「どこにいったかな?」と物置きをゴソゴソ探すハメに。また、奥にしまいこむと後から取り出すのに一苦労です。収納で大切なのは、片付けることより「モノの居場所を作る」こと。その場所に必ずあって、使いたいときに使えるようにスタンバイさせる定位置と考えるのです。
奥行きが深い収納だと、奥に入ったモノを取り出しにくくなります。何が入っているかすら忘れてしまうかもしれませんね。奥行きのある収納の場合は、取り出しやすいようにスライドレール式にするなどの工夫を。
ファミリークローゼットは、取り込んだ洗濯物を一度に収納できて便利です。ただし、朝の身支度の時間は混み合ってしまうことも。家族の生活時間や利用シーンをシミュレーションしてプランニングしておきましょう。
逆に、アウトドア用品や季節モノなど、しょっちゅう使うわけでなければ、すぐに取り出せなくても大丈夫。カーポートの物置や階段下のデッドスペースを活用するなど、柔軟に収納場所を考えてみてください。
場所別に考える収納のポイント
いつ、なんのために使うのかを考えると、収納はモノを使うその場に設けるのが一番使いやすいことが分かります。キッチンならキッチン横にパントリーを、お風呂なら脱衣所にタオルやシャンプーの収納棚を。さっそく場所別にみていきましょう。
キッチンは動線を意識しよう
なべやフライパン、おたまなどの調理器具は日々使うものなので、カウンター下など、すぐに取り出せる位置に収納するのがベスト。ストック食品や使う頻度の少ない調理器具は、パントリーや床下、吊り戸棚など、手の届く範囲でなくてもそれほど不便さを感じることはないでしょう。
吊り戸棚を飾り棚にして、カフェ風の「見せる収納」にするとおしゃれです。お気に入りの食器やスパイスなどを飾って、お部屋のコーディーネートを楽しんでみては。ただし、飾り棚は扉がない分、ホコリや油汚れが心配。こまめなお掃除は欠かせません。
お米やお水などの重いモノは、パントリーの下部に置くのも一つの手ですが、玄関からキッチンまで、もしくは勝手口からキッチンまでの間に収納を作って保管しておくと無駄のない動線になりますよ。
見た目も大事なリビング・ダイニングの収納
リビングやダイニングは、食事や家族の団らんを楽しむ場所。来客の目に触れる場所でもあるので、「見せる」と「しまう」のメリハリを意識すると、リラックスできる空間になります。
たとえば、お子さんの学校の書類や保険の書類などは、ファイリングしてクローゼットや収納棚に。扉付きのキャビネットならスマートに収納できます。オープンな棚でも、同じシリーズの収納ボックスならば仕分けと見た目もすっきり。テレビ台の下や本棚は取り出しやすい収納場所なので、よく使うモノをしまっておきましょう。
お子さんが小さい間は、ランドセルや習いごとのカバンをリビングに置くことが多いと思います。成長すればランドセルは使わなくなるので、大きいラックや専用のスペースは不要ですね。お子さんが一人でお片付けできるサイズの、小さな収納ラックとそれを置くスペースがあれば十分でしょう。
リモコンなど頻繁に使うものは、トレイなどにまとめておいて、手の届きやすいところに居場所を作っておくのがおすすめです。
寝室・個室はクローゼットの作り方がポイント
衣類の収納は、クローゼットがおすすめです。タンスは置き場所をとる割には収納量が小さいですし、柔軟に使うことができません。
クローゼットを間取りに組み込む場合は、ハンガーに吊るす衣類、引き出しにしまう衣類をどのように分けるか、それぞれの量やサイズを把握してプランニングしましょう。
ウォークインクローゼットは高い収納力がありますが、歩くスペースが必要なので、小さな住まいには向きません。また、奥のほうにしまうと出し入れが面倒になるというデメリットも。ですが、その日着る服をあれこれ悩みたいなら、クローゼットに鏡を設置して着替える場所にするとコーディネートを楽しめるスペースに。服を全てハンガーで管理できる大容量のウォークインクローゼットはとても便利です。一年分の洋服をしまえば衣替えも必要ありません。
また、キッチン〜クローゼット〜洗面の回遊動線があるとさらに便利。朝起きて、歯磨きをして着替えてご飯を食べて出かける、というスムーズな動線が生まれます。
サニタリーは清潔感を重視
お風呂場や洗面所まわりは、タオルや下着類、洗濯洗剤や洗濯物と、収納したいモノがたくさん。場合によっては歯磨きセットや化粧品、ドライヤーの置き場所も必要です。
小さい物が多いので、見た目がごちゃごちゃと乱雑になりがち。でも、生活スタイルが変わっても使うものは変わらない場所なので、しっかり置き場所を決めておけば大丈夫。市販の収納ボックスを活用して、種類ごとに仕分けをしましょう。収納するもののサイズに合わせて棚を作ってしまうのもよいでしょう。段数や高さを変えられる可変棚だとさらに便利です。また、あらかじめ床下収納を作っておき、買い置きの日用品を入れておけば見た目も使い勝手も向上します。
予算に合わせて、暮らしにぴったりの収納を
限られたスペースと予算で、どれだけ使い勝手のよい収納を作れるかが間取りプランのポイント。収納を大きくしたいからといって家の面積を広げると、それだけ建築費もアップします。また、大きな家具を購入すると金額が高くなりますが、棚の造作やポールの取り付けを大工さんにお願いする程度なら、比較的安くすみます。床下や屋根裏の有効活用も念頭に入れ、予算をふまえて空間を有効利用できるように頭をひねってみてください。今所有しているモノを見直して、不用品は処分することも大切。所有する量も住まいに合うよう上手に管理して、すっきり、ゆったり暮らせる家づくりを叶えましょう。