いい家づくりコラム

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家づくりのクライマックス、仕様決めのコツを知ろう!

2020.12.30

マイホームの完成までには、たくさんのステップがあります。家族での話し合いに始まり、住宅会社の選定、資金計画、土地探し、間取り決めといった工程を経て、いよいよ家づくりの山場ともいえる「仕様決め」に入ります。仕様決めは、住宅のスタイルやテイスト、性能を決める仕上げ作業。ショールームや見学会を活用して、一番ピンとくるものを選び、理想の家づくりを実現しましょう。


仕様決めとは

仕様決めは、外壁やフローリング、扉や窓といった家を構成する部分ごとに、素材や色を決めたり、設備を選んでいく家の表情や個性を決める大切な工程。一つひとつていねいに決めていくことで、こだわりが詰まった愛着をもてるわが家にしたいですね。
予算との折り合いをつけながらショールームや見学会で標準仕様とオプションを比較したり、好きなデザインや素材を吟味しながら、納得のいく仕様を決めていきましょう。


仕様決めのポイント

好きなデザインにこだわったり、インテリアとの調和を考慮することも大切ですが、丈夫さ、耐震性、耐久性、化学物質の安全性など、家の性能にも大きく関わることですので、仕様はじっくり決めたいもの。
ここでは家のパーツごとに、仕様決めのポイントやコツをご紹介します。

・外壁

外壁は、大切な住まいを雨風や日光、気候変化などから守り、家の印象を大きく左右する大切な部分。遠くからでは色が家全体の印象を左右し、近くで見た時には、素材や凹凸の質感が家の表情になります。外壁の主な素材は以下の通りです。

サイディング…パネル状の外壁。色柄のデザインが豊富で比較的安価。

タイル…焼きものならではの気品と重厚感がある。

塗り壁…モルタルを下地に仕上げ材を塗布します。コテやローラーの仕上げ方で表情を出せるため、風合いにこだわる方には人気。

外壁は、面積が大きい部分だけに選び方次第で金額に大きな差が出るので、予算とのバランスを考えて選びましょう

・屋根

屋根は、雰囲気によほどのこだわりがある場合をのぞき、見かけよりも材質の耐久性、耐候性で選びましょう。屋根は以下の2つに大別されます。

重量瓦…昔ながらの粘土でできた屋根瓦。耐久性のよさと本物ならではの質感が魅力。重いので耐震面で住宅の構造と間取りにも影響します。

軽量瓦…軽くて丈夫。比較的安価で、色やデザインのバリエーションも豊富。表面のコーティングが劣化する可能性があるので10~15年でメンテナンスが必要になることも。その際の費用も考慮しておく必要があります。

ガルバリウム鋼板…近年、注目されている屋根材で、スタイリッシュで洗練されたデザインとカラーバリエーション、また実用としても耐久性が高いこと、太陽光パネルの設置とも相性が良いのがポイントです。

・玄関・サッシ

外観全体のイメージとの調和を考えて開き方を選び、色や雰囲気を決めていきます。防犯性、断熱性などをどの程度重視するかも大切なポイント。玄関ドアは開き方によって大きく4種類に分けられます。

片開き…現在の住宅で最も一般的なタイプ。洋風ドアの中では最も省スペース。2枚のドアが左右対称に開くドアを「両開き」と言い、豪華な雰囲気に見せることができます。

親子開き…大きさの異なる2枚のドアを組み合わせて作られた開き戸。全開すると開口部が広くなり、車いすの出入りや、大きな荷物の搬入などもスムーズに。「片袖フィックス」と呼ばれる子扉が固定されたタイプもあります。

引き戸…横にスライド。2枚が左右に開閉する「2枚建引き戸」のほか、4枚戸が中央から開く「4枚建」などもあります。

片引き戸…一方からのみ動く戸。引き戸は洋風ドアに比べて省スペースなのが特徴です。

・床材

床材は面積が大きく、部屋全体の印象を左右するうえ、予算に大きく影響を与えます。床材は畳のほか、フローリングは大きく2種類に分けられます。

無垢フローリング(単層)…100%天然の木を使用したフローリング。木本来のぬくもりや風合いがよく、調湿効果もあり、経年変化によって味わいが増していくのも魅力。ただしシミや傷がつきやすく、反りやひび割れが生じた際にはメンテナンスにやや手間がかかります。

複合フローリング(複層)…合板やMDF(中質繊維板)などの基板の表面に天然木を薄く削った突板や樹脂化粧シートなどを張り合わせたもの。樹脂で加工されたものは耐水性があり傷もつきにくく、色や柄も豊富に選べます。初期費用が抑えられる分、経年劣化する場合もあります。

・水回り

住宅会社の標準仕様を確認し、ショールームで実物を見て、オプションを導入するか判断しましょう。

キッチン…使い勝手のよさとお手入れのしやすさがポイント。素材によっては見栄えがよくても熱で変色、変形しやすいもの、汚れやすいものも。材質によるメリット・デメリットを確認しましょう。

洗面化粧台…洗面台は、ミラー・水栓・洗面ボウル・洗面下台が一体になった「一体型」と、好きなパーツを選んでカスタマイズできるタイプがあります。蛇口や水栓金具などの細かい部分の機能も忘れずにチェックしましょう。

浴室…標準仕様でも数種類から選べることが多いのが浴槽。一番リラックスしたい場所ですから、ちょっと恥ずかしくても、ショールームで実際に浴槽内に入ってみることをオススメします。

・クロス・カーテン・建具

クロス…色や質感はもちろん、掃除のしやすさ、傷や汚れのつきにくさも注目して選びましょう。機能、値段を重視するならビニールクロス。自然の素材感なら紙クロス、布クロス。塗り壁は少しお高めです。

カーテン…カーテンは閉めた時の面積が広いので、部屋に窓が2つある場合は同じものでそろえたほうが無難。床やインテリアとの相性はさほど気にしなくてよいので、比較的選びやすい部分です。

建具…室内ドアや障子などの建具は、引き戸タイプか扉タイプかを選びます。室内の雰囲気との調和を考え、住宅会社のコーディネーターに相談しながら選びましょう。

・照明・電気関係

照明のスイッチやコンセントは、実際の生活をイメージして、新居で使う予定の電化製品の種類や大きさを考慮しながら、数や位置を住宅会社の担当者と一緒に決めていきましょう。特にスイッチの位置は利き手や使い勝手など人それぞれ使いやすさが異なるので確認と調整が必要です。


仕様決めの4つの鉄則

・メンテナンスまで考えた選択

家を建てた後、どのようなメンテナンスが必要になるかを考えておくと、パーツを選ぶときに役立ちます。多少高い金額であっても、外壁材や床材は耐久性を重視して選ぶほうが、後々メンテナンスにかかる費用を抑えることができます。

・標準仕様を吟味し、オプションが必要か判断

ショールームを見学すると、豪華な装備に目が行きがちですが、標準仕様でもパターンが選べるものやクオリティが高いものもあります。事前に標準仕様をよく吟味し、家族の暮らし方に合わせたオプション追加の可否を検討しましょう。

・大きなサンプルを取り寄せて検討

外壁材、床材、クロスなどは、カタログの写真や小さなサンプルではわかりづらいもの。候補を絞ったらメーカーから大きなサンプルを取り寄せるのがおすすめです。特に外壁は、実際に日光の下で比較検討しましょう。

・見学会を活用

住宅見学会では外観やデザイン、内装材などの実物を見て触れることができるため、仕様の実装感がつかみやすくなります。見学会で見て気に入り、仕様を採用される方も多いです。


ショールームを上手に活用しよう

ショールームを見学すればするほど、豪華な設備や最新の商品に目が行きがちです。しかしそこは参考程度にとどめておき、「お手入れのしやすさ」を重視し、「ここぞ」というところにお金をかける、という目線で見学しましょう。性能のよさに惹かれ、ほとんど使わない機能を選んでしまっては無駄になるだけ。信頼のおける住宅会社なら、仕様に用いる材料の耐久性や流行にも詳しく、相談にも乗ってくれます。家族のライフスタイルに合った仕様を選んで、家族みんなが快適に暮らせるマイホームを実現しましょう。