家の購入にかかる5つの税金。いくつ言えますか?滞納すると…。
2022.3.20
いまマイホームを購入しようとお考え方は、家や土地の価格と同様に、税金のことも考えておく必要があります。
家の購入にかかる税金には、家の「購入時」と「購入後」にかかるものがあります。
購入時にかかる税金は1度きりの納税ですが、購入後にかかる税金は毎年納める必要があるため、ランニングコストともいえるでしょう。
この記事では、家の購入にかかる主な5つの税金について、基本的な情報をお伝えします。
家の購入にかかる5つの税金
の購入にかかる税金は、主に5つです。
【家を購入したとき、おさめる税金(1度きりの納税)】
- ◇印紙税
- ◇不動産取得税
- ◇登録免許税
【家の購入後、毎年おさめる税金】
- ◇固定資産税
- ◇都市計画税
このほかにも、家の購入資金の贈与に関わる税金などもあります。
もし期限までに納税しなかった場合、どうなるかご存じでしょうか。
なんと期限の翌日から延滞税が上乗せされ、納付期限の翌日から1カ月までは年2.4%(本則7.3%)、納付期限から1カ月以降は年8.7%(本則14.6%)と、少しずつ延滞金が膨らんでいきます(税率は毎年変動)。滞納を続けると、延滞金がかさむだけではなく、最悪の場合は預貯金や家などを差し押さえられることも。
払わないといけないものですので、納税はきちんと期限を守って。余計な負担が増えて、もったいないことになります。
家の購入時にかかる税金(1度きりの納税)
印紙税
印紙税とは、印紙税法により定められた文書(課税文書)に課せられる税金です。
郵便局や役所で収入印紙を購入した経験のある方も多いかもしれませんが、収入印紙を貼ることで税金を支払った証明となります。
課税文書は20種類あり、不動産取引に関係するものでは以下のような課税文書があります。
- ◇不動産売買契約書(購入時)
- ◇金銭消費貸借契約書(住宅ローンを組むとき)
- ◇建築工事請負契約書(家をたてるとき)
「書類に税金がかかるのか…」ということはさておき、金額を確認しておきましょう。
引用:国税庁|不動産売買契約書の印紙税の軽減措置
不動産売買契約書の印紙税の軽減措置|国税庁 (nta.go.jp)
より詳細な情報はこちらからご確認いただけます。
国税庁|印紙税額の一覧表
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7140.htm
表のとおり、契約金額が大きくなるほど課税額も大きくなります。
また、契約金額だけではなく、契約方法によっても課税額が変わるため注意が必要です。
例えば、ペアローン(夫婦や親子で契約する住宅ローン)や、ミックスローン(固定金利や変動金利などを組み合わせた住宅ローン)の場合、契約書が2通作成されるため、必要な印紙代も2通分となります。
不動産取得税
不動産取得税とは、その名のとおり不動産を取得した人に課せられる税金です。土地や家屋の購入、贈与、家屋の建築などが対象で、有償・無償、登記の有無に関わらず課税されます(相続による取得など、課税されない場合もあります)。
不動産を取得して6ヵ月前後で、不動産取得税の納税通知書が自治体から送付されます。
【不動産取得税の計算方法】課税標準×税率
課税標準には原則、「固定資産税評価額(以下、評価額)」が用いられます。評価額は、総務省が定める「固定資産評価基準」に基づき、土地と家屋の両方に設定され、固定資産課税台帳に登録されたものです。
評価額の目安は、土地は公示価格の70%、家屋は再建築価格(いま同じ場所に同じものを建てた場合にかかる費用)の50~70%です。
※令和6年3月31日までに宅地等(宅地及び宅地評価された土地)を取得した場合、当該土地の課税標準額は価格の1/2となります。
【税率】全国一律
引用:東京主税局|不動産取得税
https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shisan/fudosan.html
不動産取得税計算ツールはこちら
https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shisan/syutokuzei.html
登録免許税
登録免許税は、さまざまな登記や登録などに課せられる税金です。
不動産登記の場合、法務局(登記所)の登記簿に記載することで「この土地はわたしのもの!」と所有権を主張・証明できるわけです。
【登録免許税の計算方法】課税標準×税率
登録免許税の課税標準は、基本的には固定資産課税台帳に登録されている評価額です。
新築物件など新たに所有権を設定する「所有権保存登記」は税率0.4%、中古物件を購入や相続による「所有権移転登記」は税率2%(※)です。
※所有権移転登記に関しては、令和5年3月31日までの間に登記を受ける場合0.15%
納税は現金納付で、登録免許税額に相当する金額を金融機関などで納付し、領収書を登記申請書に貼り付けて提出します。
家の購入後にかかる税金(毎年納税するもの)
固定資産税
固定資産税とは、土地や家、償却資産などの固定資産の所有者(1月1日時点)に課せられる税金で、毎年6月前後に納税通知書が届きます。
以下のようなものが課税の対象となります。
土地:田、畑、宅地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、その他の土地(雑種地)
家屋:住家、店舗・工場(発電所・変電所含む)、倉庫、その他の建物
償却資産:構築物、機械・装置、工具・器具及び備品、船舶、航空機などの事業用資産で、法人税法又は所得税法上、減価償却の対象となるべき資産。ただし、自動車税種別割、軽自動車税種別割の課税対象となるものは除く。
【固定資産税の計算方法】課税標準×税率
課税標準には原則、「固定資産税評価額」が用いられます。標準税率は1.4%ですが、全国一律ではないため税率が異なる自治体もあります。また、住宅用地や新築住宅は特例(軽減措置)が設けられています。
都市計画税
都市計画税とは、市街化区域内(※)における土地や家屋の所有者(1月1日)に課せられる税金で、固定資産税と合わせて納税します。道路や公園、上下水道など都市整備に充てられます。
【都市計画税の計算方法】課税標準×税率
課税標準には原則、「固定資産税評価額」が用いられます。税率は全国一律ではなく、半数以上の自治体は上限である0.3%と定めています。
※市街化区域:都市計画法で指定される都市計画区域のひとつ。すでに市街地を形成している区域と、おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域を指す。
家の税金のことは、専門家に相談しよう
各種税金について解説してきましたが、かなり複雑に感じられたのではないでしょうか。今回ご紹介した計算方法は基本的なもので、特例などのさまざまな軽減措置もあるため、正確な納税額を計算することは専門的な知識がなければ困難です。
「家にかかる税金で損をしたくない」「不動産に関する税金について詳しく知りたい」そんなときは、役所や不動産業者、税理士などの専門家に相談するとよいでしょう。
そして、納付期限を守ることだけはしっかり覚えておいてくださいね。
来月は「軽減措置」について解説します。