いい家づくりコラム

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キッチン、トイレ、浴室…水回りリフォーム成功の秘訣

2018.3.20

キッチン、トイレ、浴室や洗面・・・家族が毎日使う水回り。他の設備よりも利用頻度が高く、湿気も多いために老朽化も早く進みがちです。長く快適に暮らすためには、水回りの定期的なリフォームが欠かせません。

しかし、「ただ設備を新しいものに交換するだけだから」と、価格だけでリフォーム業者を決めてしまうのは考えもの。せっかくのリフォームですから、これを機にグンと暮らし心地がアップするような、かしこいリフォームをしたいものです。
暮らしをもっと快適にする水回りリフォームのために、押さえておきたいポイントや注意点をご紹介します。


水回りこそ、リフォーム業者は総合力で選ぶ

水回りのリフォームは、「設備を新しいものに取り替えるだけ」と思っていませんか?
最新のミストサウナやシステムキッチンをカタログなどでチェックして、ネットで最安値を探すといったやり方では、リフォームに失敗する可能性が高くなります。

なぜなら、せっかく安く最新の設備を手に入れたとしても、周囲の状況や工事次第で、そのポテンシャルを活かせないことがあるから。
たとえば設備が周囲の床材や壁材とマッチしていなかったり、動線が混乱していたりすると、せっかくお金をかけてリフォームしたのに、逆に暮らし心地が悪くなることもあり得ます。

ホームセンターや家電量販店といった、機器の販売・設置だけを請け負う業者には、家全体を見てより良いプランを提示する提案力には欠けていることが多いもの。
十数年に一度のリフォームのチャンスですから、ぜひ単なる機器の交換にとどまらず、全体を俯瞰できる総合力のある業者を選びましょう。
家族のライフスタイルを汲み取って、生活の細かい不満やムリ・ムダをなくす提案をしてくれるリフォーム業者ならベストです。

また、水回りは配管工事など目に見えない部分の工事が伴います。
リフォーム業界では、業者によっては実際の工事は別の下請け会社に外注することもよくあるのですが、その際に中間マージンがかかるため、少しずつ価格は高くなってしまいます。にも関わらずあまりに価格が安い場合は、経験の浅い職人やアルバイトを使っているなんてことも。

施工品質の低さは、後々水漏れやガス漏れといった重大なトラブルに直結します。
実際に施工するのはどんな人なのか、またリフォームの実績や、定期点検の有無、アフターフォローがしっかりしているかといった視点でも、きちんとチェックしましょう。

>> リフォーム業者の選び方(2)〜リフォームの満足度を上げるには〜


キッチンのリフォームで押さえるべきポイント

キッチンのリフォームでもっとも重要なポイントは、「自分たちの料理スタイルに合わせること」です。
たとえば料理は料理で集中して手早く済ませ、リビングでゆっくりしたいという人なら、三方を壁に囲まれたクローズドキッチンが候補に挙がります。逆に、家族や来客とワイワイ話しながら調理したい、という人は、オープンキッチンのほうがおすすめ。
料理の時間をどう捉えるかは家族それぞれなので、なんとなくのイメージではなく、自分たちの生活スタイルをきちんと分析する必要があります。

また、調理中はシンク、加熱調理機、冷蔵庫の間を何度も行ったり来たりします。これらをどのように並べるかは、調理の効率を左右する重要ポイント。しっかりシミュレーションして決めましょう。

キッチンは高さも重要です。低すぎると腰痛の原因になりますし、高すぎるとそれはそれで使いづらいもの。最も使いやすいキッチンの高さは「身長÷2+5cm」と言われています。これをひとつの目安にして、自分が使いやすい高さを比較検討してみると良いでしょう。
ショールームで試す際には靴を脱いでスリッパに履き替えるなど、実際と同じ環境で試してみることもお忘れなく。

ついついデザインや最新機能ばかりに目が行きがちなキッチンリフォームですが、カタログのおしゃれなイメージにとらわれすぎると失敗することも。徹底的に使う人の立場に立ったプランニングが、成功のカギです。


トイレのリフォームで押さえるべきポイント

トイレをリフォームするなら、先を見据えたプランニングがおすすめ。水回りのリフォームを考えている場合、新築から10年、20年が経っているはずです。多くのご家庭にとって、そろそろユニバーサルデザインを意識しても良い頃でしょう。

特にトイレについては、病気や加齢などで体が不自由になっても、トイレだけは自分で行きたいという人は多いもの。

将来を考えれば、できれば扉は引き戸にし、段差もなくしておきたいところです。また便器のレイアウトを変えたり、手すりをつけることで、車イスや足腰が弱った人も使いやすいトイレにリフォームすることができます。

将来家族に介護が必要になった時にも、トイレが使いやすいかどうかで、介護する人の負担が大きく違ってきます。「介護なんて、うちはまだまだ先」と油断していると、後で後悔するかもしれません。少しでも気になるならぜひ、ユニバーサルデザインに知識と経験をもつ業者を選び、相談してみると良いでしょう。

また、他はまだまだ大丈夫だけれど、トイレだけ痛みが激しいという場合には、通風や湿気対策に問題があるかもしれません。家全体の空気の流れを考慮して、窓や換気扇の設置、湿気や汚れに強い床材、壁材などを選ぶことも大切なポイントです。


浴室・洗面所のリフォームで押さえるべきポイント

浴室リフォームについても、「単なるユニットバスの交換」と軽く考えない方が良いでしょう。
新築時と家族構成やライフスタイルが変わり、シャワーで済ますことが多くなった、大人数で入らなくなったなどの変化があるなら、バスタブを小さめにしたり、シャワーの機能にこだわるといったマイナーチェンジを検討するのもおすすめです。

このほか、高齢者の有無にかかわらず、暖房をつけてヒートショック対策を施したり、段差をなくしてフラットにしたり、手すりを取り付けるといったユニバーサルデザインの導入もぜひ検討したいところ。
また、給湯器の寿命は8年から10年と言われています。浴室リフォームのタイミングと合うようなら、併せて交換を検討すると良いでしょう。

さらに、浴室をリフォームする際には洗面所も併せて検討しておくと、工期もコストも効率良くリフォームすることができておすすめです。
洗面所で問題になるのは、結露やカビといった湿気のトラブル。湿気が多いわりに換気が十分でないことが多いため、リフォームの際は湿気に強い床材、壁材などを意識することが大切です。また必要に応じて、通気口や換気扇などの設置を検討しましょう。

このほか収納や照明、洗面台の高さ、掃除のしやすさなどもポイントです。毎日使う場所ですから、使い勝手の良さを重視してプランニングをしていきましょう。


水回りリフォームを安さで選ぶのは危険

水回りは家のユーザビリティの要。日々の使い勝手においても、配管まわりのトラブル回避という意味でも、安易に価格の安さだけで決めてしまうのは危険です。
特に、施工の品質やアフタフォローに関して少しでも不安を感じる場合は、目先の安さで決めず、信頼できる別の業者を探した方が良いでしょう。

最新トイレやキッチン、おしゃれなバスルームをあれこれ見て回るのは楽しいですが、そればかりに偏らないこと。「やって良かった!」と心から満足できるリフォームのためには、施工品質や家全体を俯瞰する視点を忘れないようにしましょう。