いい家づくりコラム

住宅ローンイメージ

住宅ローン返済にそなえよう。我が家の家計見直し術

2020.7.26

理想の暮らしを思い描きながら、家づくりのことをあれこれ考える時間は楽しいものです。でもその前に、予算を決めるという大事な工程があります。家づくりにいくら使えるかが分からなければ、「あんな間取りにしたい」「こんなキッチンがほしい」と想像しても、絵に描いたモチ。いくらまで住宅ローンを借りられるのかを算出することが家づくりの第一歩です。

そのためにまずは、現在の家計をできるだけ正確に把握しましょう。家計の状況を知るには、家計簿をつけ、収入と支出を洗い出す必要があります。ポイントを抑えてチェックすれば、それほど手間はかかりません。これまで気づかなかった無駄も見えて、家計をスリム化できるはず。住宅ローンの返済に苦しまないためにも、予算が足りなくなって家づくりで妥協することにならないためにも、さっそく家計をチェックしていきましょう。


家賃=毎月の返済額というわけにはいかない!

住宅ローンなどの住居費の目安は、手取り収入の25~30%が妥当と言われています。もし今支払っている家賃がそれ以上であっても、同じ額を住宅ローンの月々の返済額にできると考えることには注意が必要です。
賃貸とは異なり、持ち家には固定資産税や屋根・外壁のメンテナンス費用などの比較的大きな負担が定期的に発生します。部屋が広くなれば毎月の水道光熱費も上がりますし、新築すればその家に合ったインテリアもほしくなるというもの。
このように、家づくりにはローンの返済以外にもさまざまな出費があります。毎月の返済額をギリギリに設定してしまうと、生活に無理が出てしまうことを認識しておきましょう。


毎月の収入と生活費を把握しよう

家計を知るために、まずは毎月の収入と、生活にかけられるお金を把握しましょう。給与明細書など、収入が分かるものを手元にご準備を。支給額と、毎月かかる社会保険料や年金額、所得税などがひと目で分かるようにしてみましょう。年払いにしている場合は、月平均を算出して支給額から引いておくことも忘れずに!

この時、夫婦共働きの場合は収入を合算して考えてもよいか、という疑問が浮かびます。この先10年、20年と安定した収入が得られるのでなければ、収入に含めるのはやめておきましょう。たとえば、お子さんが幼稚園に行っている間だけ奥さんがパートに出ている場合などです。正規雇用やフルタイム勤務の場合は合算しても大丈夫でしょう。

そこからさらに、家賃や携帯電話料金、保険、学費など、毎月一定でかかる金額をチェック。それら全てを支給額から差し引いた額が、食費や衣類、レジャーなどにかかる金額です。これで、毎月の収入と生活費の大まかな内訳が明らかになります。


家計簿をラクしてつけよう

次のステップは、家計簿をつけて現状を把握することです。家計簿といっても、今の時代、手書きでノートに金額を書いて計算して・・・という必要はありません。
スマホで使える便利な家計簿アプリがたくさんあります。なかには、レシートを撮影するだけで自動的に登録してくれるものもありますし、クレジットカードや電子マネーの利用状況とも連携可能。いますぐ始めてみましょう。


家計の見直しは「固定費」から

家計の状況が把握できたら、次はお金の使い方を見直してみましょう。つまり、節約です。
節約というと、食費を切りつめたり、衣服の購入を我慢したりと大変なイメージがありますね。もちろん、日々の努力も決して無駄ではありません。でも、もっと効率的に節約できるのが「固定費」の見直しです。

「固定費」とは、食費や衣服にかかる費用ではなく、家賃や保険、携帯電話料金といった毎月一定でかかる費用のこと。一度見直せば、それ以降も節約が続くのでとても効果的です。

・携帯電話料金

毎月通信制限になることがないなら、データ通信量が余るような過剰な料金プランを契約している可能性があります。携帯ショップでプランの見直しをお願いして、利用状況に見合った最適なプランを提案してもらいましょう。同時に、不要なオプションサービスに加入していないか、家族割や学割などが適用されているかもチェックを。機種にこだわらないなら、大手キャリアから格安スマホに乗り換えるのも一つの手段です。

・保険料

医療保険や生命保険にかける金額の目安は、手取りの5〜10%と言われています。リスクに備えることは必要ですが、過剰な保障が付与されているケースや、必要のない保険に加入しているケースもあります。
家族のライフステージによっても必要な保険は変わります。見合わない保険に加入していると、いざ保険を使う段になって全く適用できなかった、という事態も。5年以上契約を見直していないなら、担当者に相談してぜひ見直しを。

・サブスクリプションや定額サービス

ほとんど観ないのに契約している動画サービスや、余ってしまうのに毎月届く食品などはありませんか?月額で考えれば少額でも、年単位で考えれば家計の負担になっているかもしれません。利用頻度が低いなら、その都度料金を支払うほうがお得です。

・水道光熱費・通信費

電力会社の乗り換えで電気代が安くなる場合があります。電気はどこから買っても同じ品質で届くもの。比較検討をして、安くて使いやすいサービスを選択しましょう。ガスやインターネット通信と一本化して割引を適用するのもよい方法です。

・自動車の維持費

家と同じく、自動車も購入後にガソリン代や車検費用などの維持費がかかります。週末しか乗らないなら、手放してカーシェアを利用するという手もありますね。


使途不明金を知ることで節約のきっかけに

家計簿をつけていると、「収支が合わないけど、何に使ったんだろう?」という使途不明金が出てくるのはよくあること。でも、この使途不明金こそ、節約のしどころです。たとえば、毎日コンビニなどで200円程度の買い物をしていて、少額だからとレシートを捨ててしまっていたら・・・?週に5回なら1週間で1000円、1ヶ月で4000円、1年では4万8千円にもなります。「ちょっとしたお買い物」という意識で気軽に購入したものが家計に響いていることは少なくありません。少額でもレシートは残しておいて、漏れのないように記録しましょう。出費を目に見えるようにすることで、出費への意識を変えることができるでしょう。


先を見通した住宅ローンの返済計画を立てよう

住宅ローンの返済期間は、10年20年と続きます。当然ながら、その間に家族のライフステージは変わります。特に考えておきたいのが、お子さんの進学。返済期間中に小学校から中学校、高校、大学へと進学することになります。
入学金や授業料は、国公立か私立かで大きく異なります。お子さんの進路は、将来を左右する重要な選択ですから、事前に家族で話し合い、余裕のある資金計画を立てましょう。

「家を建てるのだから!」と頑張って節約するのはいいけれど、切り詰めすぎると心に余裕がなくなります。ときには息抜きでレジャーを楽しむことも大切。肝心なのは家族が笑顔になるための家づくりです。住宅会社のなかには、家計やローンの相談に乗ってくれるところもあります。理想の家づくりのために、無理をするのではなく無駄を減らして家計のスリム化にチャレンジしてみましょう。