いい家づくりコラム

土地探しイメージ

住宅会社が教える土地探し・土地選びのチェックポイント

2020.10.15

家づくりをすると決まったら、まずは土地探し。でも、インターネットやチラシを見て条件に合う土地が見つかったからといって、焦って買うのはおすすめできません。
土地には、法規制や地盤のこと、家にかける資金との兼ね合いなど、難しい問題がたくさん絡んでいます。どれも同じような四角い空き地に見えても、なかには家づくりには適さない土地も。購入の前にしっかり見極めないと、あとで「失敗した!」と後悔することになります。土地の購入で失敗すると、当然その上に建つ家も満足いくものには仕上がりません。
「ここに家を建てて成功だった!」と思えるような土地と出合うために、土地の探し方・選び方のポイントを知っておきましょう。


「土地探し」なら住宅会社に相談を

インターネット上やチラシには、不動産会社が仲介する土地の情報がたくさん掲載されています。でも、直接不動産会社に行く前に、住宅会社に相談を。不動産会社は土地のプロではありますが、建物を建てるための「宅地」については住宅会社のほうが熟知しています。例えば、エリア情報や地盤の良し悪し、家を建てる上での法規制など、一般的な知識では難しいことも住宅会社に相談すれば施主の立場に立ってアドバイスをしてくれます。また、インターネットなどで公開されている土地よりも優良な土地の情報を不動産会社から直接仕入れていることもあるのです。
なにより、土地と建物のトータルで家づくりの予算を算出し、正確な資金計画を立てられることが最大のメリット。土地購入後に予算が足りなくなるという失敗がなくなります。


まずは自ら動いてみよう

信頼できる住宅会社は、土地探し・土地の買い方での最高のパートナーになってくれる存在。しかし、だからといって丸投げは禁物。まずは、自ら条件を吟味し、実際に足を使って情報を集めましょう。最終的に納得のできる決断をくだすための努力は欠かせません。ここからは自分でできる土地探しの実践編です。


希望エリアの土地の相場を知っておこう

土地の価格はエリアによって全く違うため、相場感覚を養うことが大切です。そうすれば、売り出されている土地が高いのか安いのかが分かりますし、自ずと、その土地がなぜ安いのか、または高いのかという理由が見えてきます。例えば、相場より安い土地は魅力的に思えるかもしれませんが、軟弱地盤やインフラ未整備など安いなりの理由があるのです。
相場感覚を鍛えるには、情報誌や情報サイトなどでたくさんの土地を見比べることが一番。国土交通省の「土地総合情報システム」では、土地の地価公示や都道府県地価調査による基準価格を調べることができます。参考にしてみてください。

国土交通省:土地総合情報システム
https://www.land.mlit.go.jp/webland/


土地に求める条件に優先順位をつけよう

求める条件が多いほど、出合える土地は少なくなります。まずは家族で話し合って希望条件をすべて洗い出し、これだけは譲れない、という条件から優先順位をつけていきましょう。現在の通勤や買い物のことだけでなく、お子さんの進学や老後の生活など、将来まで見据えることがポイントです。


希望エリアに足を運ぼう

百聞は一見にしかず。気になるエリアは家族で見にいきましょう。現地に足を運べば、チラシにも載っていない売地が見つかることもあります。
「売地」の看板が出ていたら要チェック。方角や日当たり、前面道路の幅、土地の高低差など、目で見てわかる情報はできるだけその場で得ましょう。土地に切り株があったり大きな石が放置されている場合は、あとあとに処理費用がかかるのでご注意を。
条件の良い土地はライバルも多いものです。インターネットに掲載されるまで待っていては、なかなか良い土地には出会えません。自分の足で積極的に出かけていくことが、理想の土地に出会うための近道です。


住宅会社と探す、土地選びのポイント

希望のエリアがはっきりしてきたら、次は住宅会社と一緒に現地を見に行きましょう。その場で相談しながら、どんな家づくりができるのか、間取りを具体的にプランニングできます。

区画

区画のなかでも、角地はとくに人気です。2面が道路に接しているため、開放感のある間取りプランを立てられますし、資産価値も下がりにくいでしょう。ただし、その分価格は高くなる傾向にあります。
建物に挟まれた土地の場合は、角地と比べると安いので、建物にお金をかけることができます。道路からの視線が届かずプライバシーも守られるため、最近はあえて角地を選ばない人も増えています。

配置

土地のなかには、建物と駐車場、庭、アプローチなどが配置されます。角地は2方向が道路に面しているので、レイアウトの自由度が高まります。ですが、角地ではない場合も、間取りの工夫次第で日当たりのよい家は建てられます。例えば、北向きの家の場合は北側に建物を寄せることで南からの光が入りやすくなります。
こうした間取りの相談も、住宅会社と一緒ならその場でプランニングが可能。紙の上だけで間取りを見てもイメージが沸きにくいものです。ぜひ、土地を見ながら、どこに何を配置するか考えてみてください。いいアイデアが浮かぶかもしれません。

隣家との距離感

民法では、建物が隣家と50cm以上離して建てることが定められていますが、あまりギリギリまで近いと日当たりや騒音、プライバシーが心配です。また、土地の周りに空き地がある場合は、法律上、どのくらいの高さの建物が建つ可能性があるかを不動産会社に聞いてみましょう。

周辺環境

土地の周辺を歩いてみて、学校、病院、駅、スーパーなど、生活に必要な施設との距離感を感じてみましょう。老後のことまで考えれば、歩いて行ける範囲に生活に必要な施設が揃っていることがベストです。
歩いている間に、近隣の雰囲気や清掃状況、路上駐車の有無など、細かな部分もチェックを。昼間の日当たりを見るだけでなく、必ず夜間も足を運び、周辺の静けさや外灯の有無などを確認しましょう。暮らしやすさや防犯に直結する重要なポイントです。
また、今は何もない空き地でも、将来は商業施設や学校などが建つことがあります。それがプラスと感じるかマイナスと感じるかはライフスタイルによって異なりますが、事前に知っておくことは大切です。不動産業者や市役所などに問い合わせてみましょう。

土地の状態

住宅会社と一緒に、不動産会社から渡される資料をよく読み、説明を聞きましょう。役所調査も大事です。軟弱地盤などの不良がないか、建築法による規制がないか、水道管などインフラが整っているかを事前にしっかりヒアリングします。なかには難しいと感じることもあるかもしれません。分からないことはそのつど住宅会社に相談し、納得できるまで確認を。調査をしっかりやっておかないと、いくら土地が安くても、後から不具合が発覚した場合に膨大な土地改良費や土地整備費がかかります。


直感とタイミングも大事!思いきって決断を

住宅会社とも相談して、「この土地なら理想の家づくりができそう」と感じたらあとは決断するだけ。あまり長い間悩んでいるとライバルに先を越されてしまいます。「もう少し安い土地を」とねばりたくなる気持ちは分かりますが、その分現在の住まいの家賃にお金がかかってしまって本末顛倒になることも。待てば待つほどいい土地が出てくるとは限りません。「ここだ」と感じたら思いきって決断を。頑張って探した努力は、理想のお家という、うれしい結果となって必ず返ってきますよ。