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いい家づくりコラム

洗面台イメージ

洗濯動線と暮らしやすさが肝心!サニタリーの間取り計画

2020.10.31

浴室や洗面室、トイレなど、キッチン以外の水回り設備を「サニタリー」といいます。
サニタリーでは、長時間過ごすわけではありませんが、家族全員が何度も行き来するので、アクセスしやすい間取りにしておきたいものです。
また、家事のなかでもとくに大変な洗濯とも大きく関わってきます。浴室や洗濯機、脱衣所の配置を工夫して、スムーズな洗濯動線を叶えたいですね。
サニタリーに便利な生活動線を組み込むには、それぞれのスペースの役割や関係性を考えることが大切。さっそく、間取りのポイントをみていきましょう。


場所別に考える間取りのポイント

サニタリーは、大きく分けてトイレ、洗面所、浴室、脱衣所で構成されています。それぞれのスペースごとに間取りを考えてみましょう。 

洗面所

朝の身支度の時間に混み合う洗面所。スペースや予算が許せば、家族が並んで使える広い洗面室を作るとよいでしょう。最近は、学校の理科室にあるような大きな「実験用シンク」が一般家庭でも人気です。
洗面所の難点は、シンク周りに歯ブラシやドライヤーなどを置くため、生活感が出てしまうこと。来客時にも遠慮なく使ってもらえるように、玄関にミニ洗面所を設けると便利です。お子さんも外から帰ってすぐに手洗いができます。

トイレ

こちらも朝はラッシュになる場所。この問題を解消するために、補助的に2階にもトイレと簡易の洗面所を設置する方も増えています。各階にトイレがあれば、寝室からも近くなって夜中に行きやすくなるというメリットも。ただし、トイレの排水音は階下に伝わりやすいので、個室やリビングの真上に配置しないようにしましょう。
階段下のスペースを有効利用してトイレにするという手もあります。この場合は換気や採風、採光ができるように工夫を。また、将来のことを考えれば、段差をなくし手すりをつけておくのがおすすめ。スペースを少しでも広くすることで使いやすく、居心地がよくなります。

浴室

お風呂はゆったりリラックスできる場所にしたいもの。道路からは見えないように、窓は目線より高い位置に設置しましょう。とはいえ、手が届かないと掃除や換気のための開閉がしにくくなります。もし窓の位置に悩むようなら、2階にお風呂を配置するのもおすすめです。通行人から見られる心配はありませんし、お風呂上がりに寝室に直行できて湯冷めしないなど、メリットはたくさん。デメリットは、トイレと同様に音が階下に伝わりやすいこと。こちらもリビングや個室の上に配置するのは避けましょう。
 


洗面室と脱衣所の関係を考えよう

洗面室と脱衣所を兼ねた洗面脱衣所にするか、別々のスペースにするかで使い勝手は大きく変わります。それぞれの役割と関係性を考えてみましょう。

一か所にまとめる

スペースと費用を抑えるためには、洗面室と脱衣所を兼ねた洗面脱衣所を作るのが一番。メンテナンス性も使い勝手もよくなります。ですが、洗面所は家族だけでなく来客が使用することもあります。誰かが脱衣所や浴室を使っているときに、来客が洗面所を使えないのは不便。家族間でも、洗面所を誰かが使っている間はお風呂から出にくい、という事態は避けたいもの。スペースや費用に余裕があるなら、洗面室と脱衣所は分けて作るほうが生活しやすいでしょう。

洗面室と脱衣所を別々に作る

来客が多い場合やご両親と同居する場合は、洗面室と脱衣所は別々に作るのがおすすめ。家族の誰かがお風呂に入っている間も洗面室を使いやすいですし、脱衣所に洗濯物やタオルなどがあっても洗面室から見えることがなく、ゲストも気兼ねなく過ごせます。デメリットは、排水設備がそれぞれに必要となるため、コストがかかること。スペースもとられるので、家の広さや予算に余裕のあることが前提です。

別々にできない場合

洗面室と脱衣所を別々に作ることが難しい場合は、洗面脱衣所にロールカーテンなどの簡易な仕切りをつけてプライバシーを守りましょう。洗面室とは別に、トイレの横や玄関にミニ洗面台を設けて、来客用の洗面台にするのもおすすめです。小さな洗面ボウルを置く程度ならスペースもそれほどとりませんし、費用も抑えられます。


洗濯動線をスムーズに

洗濯は、毎日の家事のなかでも重労働。「洗う、干す、たたむ、収納する」がラクに済むように、できるだけ動線を短くしましょう。

洗濯機を置く場所

濡れた洗濯物を持って階段を上り下りするのはなかなか大変です。老後には、転倒などの事故につながる危険性も。洗濯機はベランダやサンルームなどの干し場と同じ階に置くことをおすすめします。
洗濯に浴室の残り湯を使うなら、洗濯機は脱衣所に置く必要があります。お風呂の前に脱いだ服をそのまま洗濯機に入れられて便利。ドラム式の場合は、取り出し口の扉の向きが左か右かによって、洗濯機を置く向きに注意が必要です。

干す場所

換気や湿度調節をしっかり行えば、脱衣所に洗濯物を干すことができます。脱衣所とサンルームを直結させた間取りも便利。室内干しだから雨の日でも安心です。
ベランダに干す場合でも、入り口から順にトイレ+洗面台〜お風呂+洗濯機〜ベランダという一直線の動線を作ることで移動距離が短くなり、洗濯作業がスムーズになります。

たたむ場所

取り込んだ洗濯物をリビングでたたむ場合は、干し場とリビングを近くに配置しましょう。スペースに余裕があるなら、家事室という形のスペースを設けるのがおすすめ。洗濯物を干したりたたんだり、作業台でアイロンをかけたり、タオルを収納したりと、一つの場所で一連の洗濯作業が完結します。

収納する場所

衣類を全て各個室で管理すると、収納するにも一苦労です。家族全員がアクセスしやすい場所にファミリークローゼットを設けて、家族分の衣類をまとめて収納すれば、家事がラクに。さらに、衣類をハンガーで管理すれば、たたむ手間も省けます。
ただし、お風呂上がりに着替えられるように、タオルや下着、ホームウェアなどは脱衣所などに置いておくとよいでしょう。


脱衣所・トイレのヒートショック対策は必須!

急激な温度差により心筋梗塞や脳梗塞を起こすヒートショック。もっとも起こりやすい場所が、冬場の浴室やトイレです。リビングなど普段過ごす部屋と脱衣所・お風呂・トイレの温度差はできるだけ小さくすることが大切。玄関周りに配置されることが多いサニタリーですが、ヒートショック予防の観点で考えると、冬場に冷える玄関よりもリビングの近くに配置したほうが安全です。
もちろん、サニタリーの場所を考える前に、なにより重視したいのは断熱性。気密性・断熱性を高めて全館空調を導入し、家中の室温を均一に保つような家づくりができれば、サニタリーの配置も場所を選びません。


固定観念をなくして快適で使いやすいスペースに

サニタリーは、一般的によく採用されている間取りにはこだわらず、生活しやすいように、固定観念を取り払って考えてみましょう。思いきってトイレのドアをなくして洗面室と一体の空間にしたり、洗面台の横にアイロン台を造作したり、アイデア次第でサニタリーは使いやすく快適になります。
排水設備や湿度調節も必要な場所なので、住宅会社ともよく相談を。家事が楽しくなるような、使い勝手のよい間取りを叶えた家づくりをしていきましょう。