いい家づくりコラム

浴室換気扇イメージ

【換気扇+窓の換気はNG!】お風呂(浴室)の乾燥と洗濯動線

2023.3.20

「換気扇をまわして窓も開けて、浴室の換気はカンペキ!」
「平面図をもとに計画したから、洗濯動線はバッチリ!」
そんな方、実は要注意です。その方法では、浴室をうまく乾かせていなかったり、ラクできない洗濯動線になっていたりするかもしれません。

今回のコラムでは、ついついやりがちな「浴室のNGな乾かし方」と「洗濯動線のNGな考え方」についてお伝えします。簡単なポイントをひとつ押さえるだけでグッと効率的になりますので、マイホームを計画中の方はぜひ参考にしてくださいね。


お風呂(浴室)の乾燥

入浴やお風呂掃除の後、浴室を乾燥させるために換気扇をまわす方は多いと思います。それに加えて窓を開ける方もいると思いますが、残念ながらその方法はNG。詳しくご説明します。


換気扇オン+窓の開放はショートサーキットを引き起こして逆効果!

換気扇をまわして窓も開けたほうが、湿気が早く逃げて短い時間で浴室を乾燥させることができそうな気がしますが、かえって浴室は乾きにくくなってしまいます。その要因となるのが「ショートサーキット」です。

浴室を乾かすには空気を入れ替えて湿気を逃がす必要がありますが、下の図にあるように、窓から入ってきた外気はそのまま換気扇へと吸い込まれてしまいます。せっかく外気を取り込んでも、空気の流れが窓と換気扇の間に限られてしまうため、浴室を効率的に乾かすことができないのです。このような現象は「ショートサーキット」と呼ばれ、給気口と排気口が近すぎることにより換気しているつもりができていない状態なのです。


換気扇をまわして窓を開けた場合

換気扇か窓のどちらか一方でOK!

浴室の上手な乾かし方は、換気扇をまわすか、窓をあけるかのどちらか一方を選ぶこと。

換気扇をまわす場合は窓を閉め、浴室のドアも閉めます。浴室ドアの下部には基本的に通気のためにスリットがあるため、スリットから換気扇へと空気の流れができ、浴室の床もしっかりと乾かすことができます。ドアにスリットがない場合は、ほんの数cm程度ドアを開いて空気の通り道をつくるようにしましょう。ドアを大きく開くと湿気が脱衣所のほうに流れてしまうので、開きすぎないことがポイントです。

では窓を開ける場合はというと、開け方に大切なコツがあります。それは窓の『両側』を開けること。先述の通り、浴室を乾燥させるには空気の流れをつくり、湿気を逃がす必要があります。引き違いの窓を片側開けて外気を取り込んだとしても、出口がないため湿気はうまく外へ逃げられません。窓の両側を開けることで入口と出口ができて空気が流れ、効率的に浴室を乾燥させることができますよ。


窓の両側を開けた場合(換気扇はオフ)
引き違い窓を閉めた状態/開けた状態

洗濯動線は『立体』で考えよう

続いて洗濯動線について解説します。
洗濯動線を計画するときにNGなのが「平面的に考えること」です。下の図にある一般的な洗濯動線をみてみましょう。

ラクラク洗濯動線

洗濯は主に『洗う・干す・取り込む・たたむ・片づける』の5つの工程からなります。
①1階で洗濯機をまわす→②2階のベランダで干す→③洗濯物を取り込む→④たたむ→⑤洗濯物を所定の場所へ片づける
このような一般的な洗濯動線では、洗濯物を干すとき・片づけるときの移動距離が長くなりがちです。洗濯物を持って家の中を行ったり来たりした経験は誰しもあるのではないでしょうか。洗濯物の量が多いほど時間や手間も増えて、ストレスを感じますよね。

そこでおすすめしたいのは、1階で洗濯を完結させるラクラク洗濯動線です。
①1階で洗濯機をまわす→②1階のベランダか室内の一角に洗濯物を干す→③1部屋で「取り込む・たたむ・片づける」を完結させる
この洗濯動線であれば移動が最小限になるため、時間と手間を大きく軽減できます。最近は、洗濯(もしくは干す)から片づけ、アイロンがけもおこなう洗濯専用の『ランドリールーム』をつくる方も増えていますよ。

近年は3階建ての家を建てる方も大勢います。マイホームの洗濯動線を、平面図をもとに計画してしまうと、実際の生活を始めてから「想像していたよりも動線が悪くて洗濯が大きな負担に…」という状況になることも。そんな失敗を防ぐために、洗濯動線は横移動だけでなく上下の移動も視野に入れて『立体的』に計画してくださいね。


毎日の家事を正しい方法で効率的に

浴室はしっかりと乾燥させなければカビが発生しやすくなりますし、洗濯は人数が増えれば量も増えるため動線をしっかりと考えておかなければ負担も増えてしまいます。どちらも毎日の家事のため、効率よく済ませたいですよね。
ぜひ今回ご紹介した方法をこれからの生活にお役立てください。