
失敗しないカーポートの作り方
2025.8.20
敷地内に駐車スペースをつくる場合、カーポートを検討する人は多いでしょう。実は、カーポートはさまざまな点で家に影響を及ぼすため、家づくりの初期段階からしっかりと考えておく必要があります。
今回は、カーポートのメリット・デメリットや、カーポート設置のステップなどを詳しくお伝えします。カーポートの設置を考えている人は、ぜひ参考にしてくださいね。
1. カーポートとは?ガレージとの違い
2. カーポートの5つのメリット
3. カーポートの5つのデメリット
4. 失敗しないカーポート設置の4ステップ
5. カーポートの種類
6. 法改正で建築確認申請が必要に
7. カーポートづくりはとにかく最初が肝心
カーポートとは?ガレージとの違い
カーポートは、柱と屋根だけで構成された簡易的な車庫です。2~3本の柱があり、片流れ屋根のような形状が一般的です。
対してガレージは、屋根と壁に囲まれた車庫であり、倉庫としての用途もあります。
カーポートはガレージよりも開放的で、コストの低さや設置の手軽さが魅力ですが、雨風や防犯への対策としてはガレージに劣ります。両者の構造を理解した上で、自分の家にあったものを選びましょう。
カーポートの5つのメリット
車の劣化を防ぐ
カーポートは車を太陽の紫外線から守り、塗装の劣化を防ぎます。完全に防ぐことは難しいですが、ある程度の保護効果はあります。
雨にぬれずに乗り降りできる
屋根があれば、雨天時の車の乗り降りはとても快適になります。とくに、荷物の積み下ろしや、こどもなど乗り降りに時間を要する家族がいる場合には大きなメリットになります。
霜が軽減される
屋根があることでフロントガラスに霜がつきにくくなるため、冬に霜取りをする手間が省けます。
スペースを有効活用できる
車が出ている時間帯は、こどもの遊び場やDIYスペースとして有効活用できます。小雨程度であれば、外遊びも可能です。
ソーラーパネルを設置できる
カーポートの屋根に設置できるソーラーパネルもあり、家の屋根に設置できない場合の代替案になります。
カーポートの5つのデメリット
家の外観を損なう場合がある
せっかく家の外観を洗練されたデザインにしても、カーポートの設置によって外観の良さが損なわれてしまうケースが多々あります。
日射取得に影響する場合がある
カーポートを南側に設置する場合、リビングへの日射を遮り、パッシブ設計の効果を低減させてしまう可能性があります。これは暖房費の増加にもつながります。 また、リビングは南側につくられることが多いため、家族が多くの時間を過ごすリビングからの景色がカーポートになってしまうことも念頭においておきましょう。
保護機能は限定的である
カーポートは紫外線から車をある程度保護できても、ホコリや横殴りの雨から保護することは難しいため、黄砂などで車が汚れることは避けられません。
スペースに制約がでる
カーポートを設置することで、庭のスペースが減少することに加え、柱の位置によっては車のドアが開けにくくなったり通行が不便になったりします。
悪天候で倒壊する恐れがある
カーポートには強風や大雪による倒壊リスクがあります。とくにホームセンターなどで購入できる安価な製品は耐久性が不十分な場合も。雪は10cm積もっただけでもかなりの重量になりますし、最近は異常気象で過去に例を見ない大雪が降ることも増えているため、慎重な選定が必要です。
カーポートの5つのデメリット
失敗しないカーポート設置の4ステップ
上記のメリットとデメリットを踏まえた上でカーポートの設置を希望する場合は、これからご紹介する4つのステップに沿って進めることで入居後の後悔を避けられますので、ぜひ参考にしてください。
ステップ①カーポート設置は駐車スペースと同時に決める
家の配置を決める段階から、駐車スペースとカーポートの有無と、設置する場合はどのようなもの設置するのかを決めることが重要です。「家」と「駐車スペース+カーポート」をわけて考えてしますと、外観や日射取得に悪影響が出て、必ず後悔することになります。
ステップ②家の日当たりを優先する
家の日当たりよりもカーポートのデザインを優先すると、日射取得が不十分になり、家の窓の位置を調整する必要がでてきます。カーポートのデザインを決める前に、日射取得に悪影響がないかよく確認しましょう
ステップ③強度を確認する
選んだカーポートが雪や台風に対して十分な強度をもつのか確認しましょう。低価格の製品に安易に手を出さず、安全に使用できるかどうかを重要視しましょう。
ステップ④車の買い替えを想定しておく
将来的に車の買い替えを検討したときに「欲しい車がカーポートに入らない」ことが起こり得ます。買い替えに限らず、車の屋根にルーフキャリアをつけたらカーポートに収まらず、毎回ルーフキャリアを着脱しなければならないというケースも。
また、駐車スペースは雨水を流すために勾配をつけるため、カーポートの屋根の勾配によっては車とカーポートの屋根が干渉してしまうケースもあるため、注意が必要です。
カーポートの種類
カーポートにはさまざまな形状があり、駐車台数や好みに応じて選ぶことができます。
片持ち屋根タイプ
柱が片側のみで、柱が邪魔になりにくいのが特長です。アーチ状のもの、直線状なものがあります。駐車台数が1台の場合には片持ち屋根タイプが採用されることが一般的です。
M合掌タイプ(M型)
片持ち屋根タイプのカーポートを左右に置き、中央で連結したものがM合掌タイプです。左右でサイズが異なるカーポートを組み合わせることができるため、駐車スペースの広さや形に合わせられるのが特長です。比較的安価で駐車台数が2台の場合はよく採用されますが、家の外観を損ないやすいです。
Y合掌タイプ(Y型)
M合掌タイプと同様に、片持ち屋根タイプのカーポートをY字の形になるよう並べたカーポートです。左右の空間が広く保たれ、開放感があります。こちらも、左右で大きさの違うカーポートを組み合わせることができます。
フラットタイプ
ご紹介した4つの中で最もおすすめなのが、このフラットタイプです。屋根が平らな形状のカーポートで、2~3台は駐車可能です。直線的なデザインで、他のカーポートよりも家の外観となじみやすいです。ただし、主張の強いデザインの家は、カーポートとセットでみたときに野暮ったい印象になるため、家はシンプルなデザインにするのがおすすめです。
法改正で建築確認申請が必要に
これまでカーポートは、建築確認申請(法律や安全基準への適合を確認する手続き)が不要な場合が多くありましたが、2025年4月の建築基準法改正により、原則として確認申請が必要になります。
例えば、「10m²を超える」「都市計画区域、防火地域、準防火地域に該当する」「母屋と接続している」「強風地域、積雪地域に該当する」場合は、申請が必要です。申請漏れは違反建築物とみなされる可能性があるため、家本体と合わせて申請しましょう。
また、カーポートの構造によっては建ぺい率にも影響するため、お住いの地域の建築指導課で詳細を確認することをおすすめします。
カーポートづくりはとにかく最初が肝心
カーポートの設置で最も重要なことは、駐車スペースを決めた段階でカーポートの有無とカーポートの種類を決めることです。つまり、家づくりの初期段階で、家や庭の配置、外構などと合わせて検討し、家全体のバランスを考えることが大切です。
家のデザイン性を最優先にするなら、思い切ってカーポートを設置しないことも視野にいれましょう。










